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2017年7月23日 (日)

思いはるかな甲子園/栄進高校野球部

 思いはるかな甲子園

■ 栄進高校野球部 ■  さらに数日後。  再び、河川敷の野球部グラウンド。  土手に座っている梓達のまわりに、部員達が集まっている。 「ちきしょう。あいつら、また練習をさぼって女の子といちゃいちゃしやがって」  山中主将がいらいらしている。それに武藤が同調する。 「一度、活をいれてやらないと駄目ですねえ」 「よし、ちょっくら……」  と、梓を囲む部員達の所に歩みはじめるよりもはやく、部員達の方が先に行動を起 こしていた。 「おーし! みんな始めるぞ。グラウンド十周からだ」  郷田が声をかける。 「おー!」  一同一斉に走り出す。 「な、なんだ。いきなり……」  呆然とする山中主将。 「よーし、ノックはじめるぞ。全員配置に付け」  やがてグラウンド十周を終えた部員達は、それぞれの受け持つ守備についた。  郷田を中心として練習をはじめる部員達。 「おお!」  一斉にグラウンドに散る部員達。 「ショート!」 「おお!」  構えるショートは、山中主将の代わりに守備に入っている南条誠。  ノックを打つ郷田。  球はワンバウンドしてショートのグラブの中へ、それを処理してファーストに投げ る。 「もういっちょう」 「よし!」  精力的に練習を続ける部員達。 「一体どうしたんだ」  部員達のあまりの変り具合に、首を傾げている山中主将。  それに武藤が答える。 「ああ、それはね。あの子のせいですよ」  土手で部員に囲まれている梓が、さとすように話している。 『ボクは、女の子を軟派するような軟弱な人は嫌いですから。スポーツマンならスポ ーツマンらしく、行動で示すような、野球に熱中しているような人が好きなんです』 「……とか、言ってたらしいですよ」 「ははん。それで急にがむしゃらに練習を開始したのか」 「いいところを見せようとしているわけですね」 「まあなんにしても、動機は不純だが、練習に身がはいるというのならば、ことさら として何も言うまい」 「いわゆる野球部のマスコットガールってところですか。いっそ野球部のマネージャ ーになってくれると、みんな喜ぶでしょうけどね」 「世の中、そううまく運ぶものじゃないさ。女の子はきまぐれなんだ。いつまでああ して見学にきてくれるか、わかるもんか」 「それはそうですけどね」  微笑みながら、部員達の練習を見つめている梓。 「こんな男的なスポーツのどこがいいのかしら」  その隣で怪訝そうな表情の絵利香。  帰宅の途中にある場所なので、梓の誘いを断りきれずに付き合っているが、いくら 眺めても好きになれそうになかった。誘いを断ってしまえばいいのだが、絵利香には お願い事を秘めているので、無碍にもできないでいたのだ。 「ねえ、梓ちゃん」 「なに?」 「あのね……」  もじもじしながら言い出しにくそうにしている。 「……ん?」 「な、なんでもない」 「なによ。途中まで言いかけてやめるなんて」 「ごめんなさい。また後で話すから」 「気になるわね」

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