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2017年10月10日 (火)

梓の非日常/第二章 自己紹介だよ

梓の非日常/第二章 スケ番グループ(青竜会)

(二)自己紹介だよ 「さあ、さあ。二人とも立ってないで、座って、座って」 「ここに座って。新しい制服が汚れないようにちゃんときれいに磨いてあるからね」  部員達がすすめる椅子に腰を降ろす梓と絵利香。 「ええと、とにかく。初会合ミーティングをはじめるぞ」  山中主将は、部員達を見回しながら、 「うん。二・三年は揃っているようだな。手始めに自己紹介からいこうか。新人は最 後にしよう。おまえからやれ」  といってそばにいた部員を指差す。  しようがねえなあという表情をみせてゆっくりと立ち上がる。 「三年、副主将の城之内啓二だ。得意技は後ろ回し蹴り」 「三年、熊谷健司、得意技は前蹴り」 「三年、田中宏。得意技は……」 「真空跳び膝蹴りだろ」  誰かがちゃちゃを入れる。 「ちがーう。と、とにかく近接戦闘ならなんでもありだ」 「二年、木田孝司。得意技は正拳上段突き」 「二年、武藤剛。得意技はとくにない」  と立ち上がったのは、入部の受け付けをしていて、今日の会合を確認にきた部員だ。 「こいつが、二年生ながらも部で一番強いんだ。得意技がないんじゃなくて、その時 点時点で最良の技がかけられるオールマイティーなやつだ。次期キャプテン候補だ な」  一番強いと聞いて梓の眉間がぴくりと動いた。おそらく機会があれば相手してもら おうと考えているに違いない。果たして自分の腕前が通じるか、武藤と名乗った相手 をじっと洞察している。  絵利香にも梓の心情が伝わっているみたいで、心配そうに梓と武藤を交互に見やっ ていた。  自己紹介は続いているが、すでに梓は全然聞いていずに武藤を見つめたままだ。 「先輩達の自己紹介は一通り終わったな。次ぎは新人いこうか。端から立って出身校 を含めて自己紹介しろ。得意技は言わなくていいぞ。一応名簿に記録するからな」  キャプテンからみて右端にいた新人が立ち上がった。 「白鳥順平です。城西中学からきました」 「橘敬太です。富士見中学です」 「甲斐野誠。初雁中学です」  そして梓の番になった。 「真条寺梓です。出身校は……言わなくちゃだめ?」 「できれば。大会に出場する時に聞かれることがありますので」 「ん……笑わないでよ」 「笑いません」 「東京にある聖マリアナ女学院中等部」 「じょ、女学院?」 「あー。やっぱり笑った!」  手を前に伸ばして部員達を指差して憤慨する梓。 「笑ってませんよ。意外だったから驚いているだけです」 「同じ事だと思うけど」 「と、とにかく自己紹介はこれでおしまいです」  全員の自己紹介が終わり、一同を見渡して山中が言った。 「それでは、次回は三日後に初練習をするので、ここで着替えて道場に集まってく れ」 「あの、梓ちゃんの着替えはどうするんですか?」  絵利香が部室を見回しながら質問した。男子ばかりのこの部室で着替えはできない と疑問に思ったからだ。  それに山中が答えた。 「はい。真条寺さんの着替えは、隣の女子クラブ棟にある女子テニス部の部室を使っ てください。テニス部に交渉して許可を得ていますので」 「そうなんだ。一人だけ部外者が着替えるというのも、恐縮しちゃうもんだけど…… まあ、仕方ないか」 「ところで、道着はみんな持っているだろうな」 「はい。持ってますよ」 「真条寺さんは?」 「もちろん持っています。大丈夫」 「なら、結構。ようし、今日はこれで解散しよう」  もし道着を持っていなければ、体育着で空手の型を中心に練習することになるだろ う。  すっと立ち上がる梓と絵利香。他の男子部員は動かない。レディーファーストなの か梓達を先に送り出す所存なのであろう。 「それでは、お先に失礼します」  ドアノブに手を掛け扉を開けようとした梓だったが、 「最後に一言、さっきのようなポルノ雑誌ですけど。読むなとは言いませんが、それ を部室に持ってくるのはやめて下さいね。なんか自分が見られているようで、いやな んです。お願いします」  と念押しに忠告した。 「わ、わかりました」  しばしうなだれる武藤であった。  山中主将が部員に向き直って言った。 「おい。おまえらもわかっただろうな」 「もちろんです」 「理解してくださって、ありがとうございます」 「いえいえ。当然のことですよ。それじゃ、三日後に初練習がありますので」 「結構です」  山中が確認する。 「はい。三日後ですね。その日に、また会いましょう」  軽く手を振って退室する梓と、 「さよなら、みなさん」  一礼して部室を出て扉を閉める絵利香。  二人が出ていって、ほっと胸をなで降ろす郷田。 「しかし、美少女二人と一緒にいると、心臓に悪いな」 「ポルノ雑誌なんか持ち込むからですよ。おかげでこちらまで疑惑の眼差しをむけら れたんですからね。たまらないっすよ」 「す、すまん。もう二度と持ち込まないよ」 「とうぜんです!」  部員全員から叱責されてしょげかえる郷田。自分が蒔いた種とはいえ、面目丸 潰れといったところである。

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