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2017年11月13日 (月)

梓の非日常/第三章 ボーリング大会

梓の非日常/第三章 ピクニックへの誘い

(拾二)ボーリング大会  自由時間を過ごしているそれぞれの部屋の電話が鳴り、送受器を取る生徒達。  センター内を散策している生徒達へ、館内放送が連絡事項を流している。 「川越市からお見えの城東初雁高校のお客様がたにお知らせいたします。只今よりイ ベントを開催いたしますので、どなたさまも至急当保養センター内ボーリング場に、 お集まりくださいませ。繰り返しお伝えいたします……」  わいわいがやがやとボーリング場に集まってきた生徒達。 「イベントって、一体何があるのかな?」 「まあ、ボーリングには関係あるだろね」 「ねえ、鶴田君は知ってるの?」 「いや。俺は、何も知らない」 「なんか俺達だけしか、客がいないじゃないか」 「どうやらフロア全体貸し切りみたいだな」  フロア内にあつらえた壇上に昇っていく従業員がいる。 「城東初雁高校のみなさま、全員お揃いでしょうか。まわりを見渡していらっしゃら ない方がおりましたらおっしゃってください」  あたりを見回す生徒達。梓がいて絵利香、慎二もいる。 「三十一名。全員揃ってます」 「はい、結構です。私は、司会進行を務めます、沢田というものです。みなさま、よ ろしくお願い致します」  ぱちぱちぱちと拍手が湧き起こる。 「まずはじめに当センター副支配人の神岡がご挨拶いたします」  代わって壇上にあがる副支配人。 「みなさま、副支配人の神岡幸子でございます。当保養センターのご利用誠にありが とうございます。さて、今宵は当センターのオーナー様のご厚意により、このボーリ ング場ワンフロアを貸し切りに致しまして、ゲームをして楽しんでいただきます」 「オーナーのご厚意ですって」 「オーナーに、誰か会った人いる?」  鶴田が梓の方をじっと見つめている。 「賞品も参加者全員に行き渡るよう、多数ご用意させていただきました。それでは心 ゆくまでお楽しみくださいませ」  深々と頭を下げてから、壇上を降りる副支配人。  再び壇上に上がっていく司会者。 「それでは一回戦をはじめますが、出席番号で男子の一番と、女子の一番で組み合っ てください」  偶然かな、梓と鶴田、絵利香と慎二という組み合わせだった。  ストライクを連続して決めていく慎二。  一方の梓は、 「ありゃあ! またガーターだ」  見事なまでにガーターを連発、スコアにはオープンフレームが並んでいた。 「おまえ、ボーリングやったことないのか?」  慎二が梓のスコアを覗きながら尋ねた。 「ないよ。人の大勢集まる大衆娯楽遊戯はやらせてもらえなかったんだ。警備上の問 題があるとかでね」 「絵利香さんもですか?」 「いいえ。わたしは、わりと自由だったから、二回ほど経験があるわ。腕前は、梓ち ゃんと変わらないけど」  絵利香組のスコアも梓と大差なくオープンフレームの連続だった。 「お二人とも、ただ闇雲に投げてもピンには当たりませんよ。ストライクというか、 より沢山ピンを倒すには、コツがあるんですよ」 「コツ?」 「1番ピンと2番ピンの間。ポケットというのですが、そこを狙うんです」 「ポケットね」 「そこへ入るようなコース取りを考えつつ、助走で十分な加速をボールに与えるんで す。そして指を抜くタイミングが大切です、そしてインパクト」  鶴田が、紙に図を描きながら、二人に親切丁寧に教えている。 「ほう……ボーリングも奥が深いな」  鶴田のコーチを受けた二人は見違えるように上手になった。 「やったあ! ストライク」  と飛び上がって喜び、思わず鶴田の頬に感謝のキスをする梓だった。 「おおおお!」  ハプニングともいうべき梓の行為に感嘆の声を上げる生徒達。  慎二が唖然とした表情で立ちすくしている。 「誤解しないでね、公平くん。梓ちゃんは、アメリカ人としてごく普通に感謝の気持 ちを現しただけだから」 「ああ、はい。わかってますよ」  梓や絵利香がアメリカ的な生活環境に慣れ親しんでいるのは良く知っていた。クラ スメート全員を「公平」「慎二」などとファーストネームで呼び慣わしているのも、 欧米人ならごく普通のことである。 「しかし、梓さん、飲み込みが早いですね」 「運動神経が抜群だから。コツさえ掴めばこんなものでしょう」

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