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2018年2月15日 (木)

梓の非日常/第八章・太平洋孤島遭難事件 帰国

梓の非日常/第八章・太平洋孤島事件

(十七)帰国  長官との面談を終えて、ワイキキビーチで水着姿でくつろぐ梓達。その一方で、パ スポートを持たない慎二は、不法入国者として強制送還の処置をとられ、一歩もハワ イの地を踏むことなく空路日本に送り返されることとなった。 「覚えてろよー」  という捨てぜりふとともに。 「ねえ、梓ちゃん。あの艦の艦長さんだけどさあ」 「なに?」 「肩章に星二つだったわ。つまり上級少将ということ。普通艦長というのは、佐官ク ラスの将校が任命されるものよ。それが提督クラスの艦長が乗艦しているってことは、 通常とは違う特別任務が与えられているはずよね」 「そ、それがなにかな……」 「多分、戦略核兵器が搭載されているんじゃないかな。梓ちゃん、何か聞いてない?」  さすがに感のいい絵利香だ。状況証拠を分析し判断する能力値は高い。 「き、聞いてないよ。だって、オーナーになってることだって、初耳だったんだか ら。みんなお母さんがやってることだもん」 「そうだよね……そもそもあの艦を島に逸早く回航させてくれたのも渚さま」 「そうそう……」  冷や冷やどきどきの梓。渚から極秘と言われているので、答えられないもどかしさ。 「ま、いいか……直接的には、わたしたちには関係なさそうだから」 「それからね、飛行機の回収がはじまったようよ」  話題を変える梓。 「早いわね。三日後って言ってたから、明日じゃなかったの?」 「たまたま早く着いちゃったみたいね」 「あんな大きなものどうやって回収するの?」 「分解して回収するみたい。一応日本の飛行機だから、日本に持って返って事故調査 委員会の調査を受けてから、篠崎に返されるようよ」 「そうか、だとすると、慎二君。また槍玉に上げられるってことね」 「当然のことなんじゃない」 「冷たいのね」 「いい勉強になるわよ。何事もよく考えてから行動することを学習できるでしょ」  横田航空基地。  戦闘機の護衛を受けながら基地滑走路へ進入をはかるジャンボ機。その尾翼には真 条寺家のシンボルマークが輝いている。  滑走路を滑りながらジャンボ機は、管制塔近くに着陸した。タラップが掛けられ、 その周囲に米軍士官達が立ち並んだ。  ジャンボ機のドアが開いて、梓達がタラップを降りて来る。一斉に士官達が敬礼し て歓迎の意を表す。その先に横田基地司令官、肩章に星二つのドワイト上級少将が待 ち受けている。司令官は軽く敬礼すると、右手を差し出して握手を求めて来る。握手 に応える梓だが、その手の大きさの違いにとまどっている。 『長官からは、大切にお出迎えするように言われております』 『申し訳ありませんねえ。話しが大袈裟になってしまって』 『海賊船に襲われたというじゃありませんか。念には念をいれるのは当然でしょう』  タラップのそばに並ぶ士官達が小声で囁きあっている。 『なんだよ。どんなやからが降りて来るかと思ったら、女と娘じゃないか』 『だがよ。そのやからは、あのジャンボ機を自家用機にしてるんだぜ。それだけでも ただ者じゃないことがわかるぜ。しかもお出迎えの車が、ロールス・ロイス・ファン トムVIときたもんだ』 『今司令官と話している娘が、どうやらプリンセスのようだな。後の二人は付き添い みたいだ』 『しかし……』 『なんだよ』 『可愛い娘だな』 『ああ……』  その後の飛行機墜落事故調査委員会からの報告がなされ、飛行機の自動運行プログ ラムと燃料計が、何者かによって改変されていたことが明らかになった。 「つまり、慎二君のせいだけではなかったということね」  絵利香がため息のような声を出した。 「あ、あたしは信じていたよ。ほ、ほんとだよ」  焦ったような表情をして弁解する梓。 「たった八十五キロ程度で、飛行機が落ちるわけないじゃん。慎二をちょっとからか っただけだよ」 「はいはい、そうでしょうとも」  絵利香も深くは詮索しなかった、  そして顔を見合わせてほほ笑むのだった。 第八章 了

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