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2018年2月 7日 (水)

梓の非日常/第八章・太平洋孤島遭難事件 戦闘開始

梓の非日常/第八章・太平洋孤島事件

(十三)戦闘開始!  居住区。  敵駆逐艦が出しているソナー音が響いている。 「この音は、もしかしてソナーじゃない。戦争映画でよく聞く音だわ」  絵利香が誰に聞くともなく言った。 「そのようですね」  平然と答える麗香。 「梓ちゃん。この船は調査船じゃなかったの」 「調査船だよ。でも、戦闘艦でもあるの」 「どういうことなの?」 「わたしからご説明します」  麗香が代わって説明をはじめた。ほとんどが梓がビデオで聞いたことと同じである が、さすがに原子力船と核弾頭搭載の件は伏せていた。実際の潜水艦を数多く見た軍 事オタクなら、その大きさから原子力ということも判断出来るだろうが、全員ずぶの 素人のために判るはずもない。 「音が次第に大きくなるわ」 「もう真上に来たんじゃない」  言うが早いか、激しい振動と爆音が鳴り響いた。 「きゃあ」 「爆雷だわ!」  全員耳を塞ぎわめいている。 「心配いりません。この艦は一万メートル級の深海にも潜れる耐圧船殻を持っていま す。通常の爆雷程度ではびくともしません。もっとも内部配管などが、振動で破損す ることはあるでしょうが」 「それじゃ、同じ事じゃない。バラストタンクに空気を送る配管などが破損したら、 浮上できなくなるんだよ」  梓が確認するように尋ねる。 「内部配管なら修理は可能です」 「どうかなあ……」  いくら信頼する麗香の言葉とて、爆雷の衝撃を経験すれば懐疑的になるのは当然で あろう。 『三百フィートまで潜航』  慌ただしく機器を操作するオペレーター。 『潜蛇、二十度』  爆雷の衝撃がしばらく続いた後に、ソナー音が小さくなりやがて静けさが戻った。 『敵艦、離れていきます』 『やり過ごせますかね』 『無理だな。相手は対潜駆逐艦だ。速力は向こうが上回っている。すぐに引き返して 追い付いてくるさ。しかもフォーメーションを組んでくるから、息つくひまも与えて くれないし、今度は魚雷攻撃もしかけてくるぞ』 『高々深度航行で逃げましょう。爆雷も届きません』 『いや。ここで奴等を見逃したら、またどこで攻撃を受けるかも知れん。逃げるわけ にはいかん』 『艦長。水中聴音器に爆音らしき音が入ってきてます』 『どれ、聞かせてみろ』  オペレーターからヘッドホンを受け取って、聞き耳を立てている。 『援軍の戦闘機が攻撃を開始したようだ。沈んでいる。一隻撃沈だ』  やった!  という声が飛び交う。 『静かに!』  その一声で再び静寂が戻る。 『敵艦は戦闘機の攻撃で、回避行動を取っている。奴等が我々を見失っている今のう ちに、ハープーンミサイルを撃てる距離まで離れるんだ。副長、潜望鏡深度まで浮上。 最大戦速、進路そのまま』  艦長の命令を副長が復唱しながら乗員に下令する。 『潜望鏡深度まで浮上。機関全速。進路そのまま』 『潜望鏡深度へ。メインタンク、ブロー』 『機関全速』 『進路そのまま』

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