最近のトラックバック

2021年3月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

他のアカウント

« 梓の非日常/終章・生命科学研究所 慎二登場! | トップページ | キン斗雲よ来い! »

2018年3月12日 (月)

銀河戦記/鳴動編 外伝 ミッドウェイ撤退(3)

銀河戦記/鳴動編 外伝

エピソード集 ミッドウェイ撤退(3)  一人きりになったのを確認して、スティールはコンピューターに向かった。 「この惑星の自爆装置の暗号コードを」 「認識番号ト所属オヨビ名前ト階級ノ順ニ、声ヲ出シテ入力シテクダサイ」  コンピューターのセキュリティーシステムが作動し、合成音によるチェックが始まった。 「認識番号51396A17、第七艦隊首席参謀、スティール・メイスン中佐」  声を出して入力するのは、音声分析によってシステムに登録されているスティールの声 紋と照合して本人の確認をするためである。通常のチェックならこれだけで大概済むはず であるが、惑星自爆という重大さから、さらにもう一段先のチェックがあった。機器の一 端からレーザー光が発せられて、スティールの眼球を照らし、その網膜パターンの読み取 りを開始した。 「プレグニッションコードヲドウゾ」 「389H6B77」 「結構デス。シバラクオ待チクダサイ」  システムによって登録情報の確認がなされるのに時間がかかった。ここのシステムには スティールの全情報は記録されておらず、バーナード本星のシステムに機密回線によって アクセスして情報を取り出さなければならないからである。  ややあってシステムが応答した。 「スティール・メイスン中佐ヲ確認シマシタ。自爆連番コードヲ表示シマス」  ディスプレイに自爆連番コードが表示され、スティールはそれを頭に叩きこんで記憶し た。機密情報であるために、他人の目に触れないようにしなければならないからである。  スティールは早速入手したばかりの自爆連番コードを入力して、自爆制御コンピュー ターにアクセスして、自爆のセットアップをはじめた。自爆連番の最終コードを入力して から自爆までの時間として、初期設定の六十分を五分に変更し、遠隔誘導システムをオン にして誘導周波数をセットした。もちろんそれは、旗艦から遠隔で自爆させるための準備 である。その他諸々の設定を施してシステムを閉じた。  スティール率いる輸送大隊の艦船が惑星宇宙港へ入港し、各地に分散した授産施設や母 子寮から多くの女性達が集められて、避難のための搭乗がはじめられた。妊娠し大きなお なかを抱えた女性、乳児を抱きながら片手に小さな子供を引き連れた女性、人口を増進す るために産むことを教育され奨励されて、その役目を担った女性と子供達の群れ。 「中佐殿。こうやって眺めると壮観ですね。総勢六十万に及ぶ女性すべてが、妊娠してい るか子供を引き連れている」 「そのためにここに招集されているのだからな」 「あの中には、自分の子供を宿した女性もいるのでしょうけど、これだけの数の中から彼 女を探すのは不可能ですね。もっとも緊張していてその顔をあまり覚えてはいないのです が」 「仮にその女性に出会ったとしても、結婚できるわけでなし相手に迷惑なだけだ。妊娠が 確認されるまでは、自分以外の幾人かの男性の相手をしているわけだから、受胎した相手 が誰かは特定できないのさ」 「え? 本当ですか。男女が交われば必ず子供ができるのではないのですか」 「犬・猫などは交尾すればほぼ百パーセント妊娠するがね。人間はそうはいかんらしい。 これは妻から聞いたことだが、女性には受胎可能期間がほぼ毎月数日間だけあるそうだ」 「毎月数日間だけ?」 「その時に交わった時のみ妊娠できるそうだ。しかも必ず妊娠するとは限らなくて……」  スティールは妻から聞いた女性の生理と妊娠についての知識を話して聞かせてやった。  バーナード星系連邦に生まれたすべての男性は、生まれた時から軍人としての教育・鍛 練のみ受けてきたのであり、ほぼ男女隔離された状態で育った環境においては、女性の生 理や妊娠のメカニズムについては一切の知識を持ち合わせていない。ましてや女性の身体 的特徴すらまともに知らないのが現状であったのだ。そのような男性が女性の身体にはじ めて触れるのは、保健部より授産施設への出頭が命じられて、子作りのために女性に見合 わされた時である。もちろん女性経験のない男性が子作りの何たるかを知るよしもないの で、すでに子供を持つ経験豊富な女性があてがわれて、はじめての経験を知ることになる のである。 「そうだったのですか。女性ってのは複雑なんですね」 「肉体的なところもそうだが、精神面でもいろいろ複雑だよ。君もいずれ適当な女性を与 えられて結婚することになるが、一緒に暮らすというのはいいもんだぞ。男と女は結ばれ る運命にあるのだからな」 「はあ……」 「さて、そろそろ出発するとするか」 「はっ。すでに護衛艦隊は燃料補給を終えて発進準備を完了しております」 「よろしい」

ポチッとよろしく!

11

« 梓の非日常/終章・生命科学研究所 慎二登場! | トップページ | キン斗雲よ来い! »

銀河戦記/鳴動編」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 梓の非日常/終章・生命科学研究所 慎二登場! | トップページ | キン斗雲よ来い! »