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2018年3月17日 (土)

梓の非日常/終章・生命科学研究所 救出

梓の非日常/終章・生命科学研究所

(十四)救出  その頃。  外では、丁度消防隊が到着して、消火作業を開始していた。 「地下です」 「火元は地下からです」  研究員や事務職員たちが口々に消防隊員に報告している。  地下火災という現状を確認して、装備を取り出している黄色耐熱服を着込んだ隊員 達。いわゆる消防レスキュー隊と呼ばれる人々だった。取り残された人々を救出する ために、耐熱服を着込み酸素ボンベなどの装備を抱えていた。突入に際して、煙の充 満する中で協力しあって活動できるように、命綱でその身体を繋いでいた。 「責任者はいらっしゃいますか?」  隊長らしい人物が叫んでいる。  それに答えて課長が歩み出た。 「私です。総務課長の渋沢と言います」 「それで、中に取り残されている人は何名ですか?」 「確認できているのは一名。それ以外は不明です」 「その一名は?」 「この研究所のオーナー令嬢で十五歳の女の子です」 「女の子? なぜそんな女の子が取り残されたんですか。誰も連れ出さなかったので すか?」 「火災報知器がなって地下からの出火と判って、消火に行こうとしたのですが、すで に煙がもうもうと地下階段から上がってきていました。何の装備もなく助けに飛び込 んでも、二次遭難になるだけだと思って止めました」 「それは正しい判断です。たかが煙とあなどっちゃいけません。火事の犠牲者の大半 が直接の炎ではなく、煙で意識を失ったり一酸化炭素中毒で亡くなっているんです」 「そうだと思いました」 「隊長! 準備完了しました」  隊員の一人が報告した。 「よし! 十五歳の女の子が地下に取り残されているそうだ。それ以外は不明だ」 「十五歳の女の子ですか?」 「そうだ。是が非でもその女の子を連れ出してこい!」 「はっ! 突入します」  敬礼をして、小隊に戻ると、 「小隊、突入する!」  と指令を発すると研究所の中へと突入していった。  足元をじっくりと確認しながら階段を降りていくレスキュー隊。 「今、階段を降りて通路です」  ヘルメット内に装着された連絡用の無線機で外に逐次報告する隊員。 『炎はどうか、燃えているか』  地上の隊長の声が返ってくる。 「炎はここからでは確認できません。煙が充満しているだけです」 『一酸化炭素レベルは?』 「3000PPM(0.3%)です」 『その濃度がどんなもんか知っているな』 「はい、三十分間その中にいると死亡する濃度です」 『よろしい。そのことを十分に踏まえて、速やかに取り残された人達の捜査を開始し たまえ』 「了解!」  じっくりと倒れている人物がいないかを確認しながら進んでいくレスキュー隊員。  充満する煙の中に人影を発見する。 「人です。人が倒れています」 『生きているのか?』 「ここからでは、わかりません。近づいて確認をします」 『よし』  倒れている人間のそばに歩み寄る隊員。  移送ベットのそばに倒れている人影。  それは慎二だった。  手袋を脱いで脈を計っている隊員。 「少年です。どうやらまだ生きているようです。ひどい熱傷を負っています。それと たぶん一酸化炭素中毒の症状がでています」 『直ぐに運び出せ』 「ちょっと、待ってください」 『どうした?』 「そばの移送ベッドの上にガラス状の容器が……。女の子です。女の子がいました」 『女の子? 十五歳位か?』 「たぶんそれくらいです」 『よし、一旦その少年と女の子を回収して戻れ』 「了解。両名を回収して戻ります」 「隊長、カプセルが開きません。熱で癒着しています」  カプセルを開けようとしていた別の隊員が報告する。 『かまわん。カプセルごと運び出せ』 「了解!」

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