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2018年5月28日 (月)

銀河戦記/鳴動編 第十六章 新艦長誕生 V

第十六章 新艦長誕生

                 V  カラカス基地に戻った第十一攻撃空母部隊。  その旗艦「セイレーン」の艦長、リンダ・スカイラークは、各艦への弾薬・燃料等 の補給と、艦体の整備の指揮のために艦橋に残っていた。 「よお、リンダ。居残りか? 確か休息中だろう」  ハリソン・クライスラーが尋ねてきていた。 「ええ。艦長としての責務がありますから。休んではいられません」 「殊勝な心がけだね。その調子だよ」 「ところで何か御用ですか?」 「用は他でもない。例の賭け事のことだよ」 「ああ、あれですね。ちゃんと集計は取れてますよ。各人の配当の計算も終了してい ます」 「おお、さすが!」 「各人にメールを送って確認してもらって、それぞれの軍預金口座から入出金する予 定です」 「そこまでやってくれるのか? ありがたいね」 「戦闘中に賭け事などとリーナに叱責されました。どうせなら最後まで面倒みてあげ なさいと言われたものですから」 「ほう……リーナがねえ」 「ところでパトリシアさんがどうなったかご存知ですか?」 「ああ、それだったら、無事に試験に合格して少佐に昇進を果たしたそうだ」 「よかったですね。艦長としてご一緒した甲斐がありました」 「何を言っているか。君だって、大尉への昇進が内定したそうじゃないか」 「ああ、そうですねえ」 「気が抜けた声出すなよ」 「だって、そんな実感が湧かないんですよね。何もしなくても、いつの間にか昇進し ていたという感じですから」 「それはみんなも同じ思いだよ。ランドール提督の昇進に引きずられるように昇進し ていく。しかし提督はよく言っているじゃないか」 『何もしないのに、昇進したと思っている者もいるようだが、それは間違った考えだ と言っておこう。指令に忠実に従って任務を遂行していることこそ肝心なのだ。指令 を無視し自分勝手な行動をしたり、指令に対し疑問を抱き部下の士気を低下させるよ うな発言をしたりする。そんな足を引っ張るような行為をしない。私を信じ、私に従 うことが功績として認められる結果として現れるのだ』 「……とね」 「確かにそうおっしゃってましたね」 「何にせよだ。昇進おめでとう」 「ありがとう、ハリソン」  リンダは、タシミール星への出撃一時間前の事を思い起こしていた。  上官であるジェシカ・フランドル少佐に呼び止められた。 「セイレーンの艦長として、スザンナを臨時に任命してはどうかという意見もあった わ」 「オニール大佐ですか?」 「その通り」 「ウィンザー大尉とは提督共々、士官学校時代からの親友ですからね。心配するのは 当然でしょう。艦隊運用にも実績があって、信頼のおける者を艦長に推したかったの でしょう」 「当然の配慮でしょうね」 「でも提督自らが拒否されたわ」 「拒否した?」 「司令はこう言ったわ」 『セイレーンの艦長はリンダだ。第十一攻撃空母部隊の旗艦の艦長として、最もふさ わしい人物としてジェシカが推薦して、私が任命したものだ。どうして代える必要が あるか』 「とね。これがどういう意味か判る?」 「信頼されているということですか?」 「そうね。わたしの口から言うののも何だけど、司令はわたしを信頼してくれている し、わたしの部下であるあなたの事をも信頼しているわ。『部下を信ぜずして司令は 務まらない』というのが口癖。しかも自分の大切な人物をも任せるほどにね。これは パトリシアの任官試験であるけど、あなたの艦長としての技量をも試される機会でも あるのよ。今回の任務を無事に終了したら、あなたの大尉への昇進も内定しているの よ」 「そうでしたか……」  意外という表情を見せているリンダ。 「取りあえずは、わたしの昇進試験は合格したというわけね……」  一人呟くリンダだった。 「何だよ。独り言なんか、らしくないぞ」 「そうだね」 「さてと……俺も、自分の機体の整備に取り掛からなくちゃならん。賭けのことはサ ンキューな」 「どういたしまして」 「まあ、頑張りなよ」 「うん」  軽く手を振るようにしてハリソンが引き返していった。  入れ替わるようにしてジェシカがやってきた。 「あ、いたいた。探したわよ」 「探すも何も、艦長なんですから、ずっとここに居ましたよ。で、ジェシカ……。何 でしょうか?」 「提督がお呼びよ。至急、基地司令室に来て頂戴」 「提督が……?」  提督が何の用だろう?  と疑問に思いつつも、後のことを副長のロザンナに任せて、セイレーンから降りて 基地司令室に急ぐ。 「もしかしたら、タシミールの時、パトリシアを艦内案内した際に、出発前にジミー 達とおしゃべりして任務を怠慢していたことかしら? リーナが報告してて注意され るのかな……任務には厳しい提督だからなあ」  ううん。リーナがそんなこと報告するはずない。 「一体、わたしに何の用なんですか?」  ジェシカに尋ねてみるが、微笑んでいるだけで答えてくれない。 「行ってみれば判るわよ」

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