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2018年7月21日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第十九章・シャイニング基地攻防戦 VIII

第十九章 シャイニング基地攻防戦

                VIII  本星に戻ったアレックスを待っていたのは軍法会議であった。  審議官の居並ぶ中、一人被告席にたたずむアレックス。  議長が厳かに開廷を言い渡して、審議がはじまった。 「君がなぜ召喚を受けたか、わかるかね」 「基地防衛の任務を果たさずに艦隊を撤退させ、一時的にしろ敵の占領を許したこと でしょうか」 「その通り」 「しかし、最終的には任務を遂行したことになるがどうだろう」  審議官の一人が好意的な意見を述べた。 「いや。基地を防衛したとかしないとかが問題ではないのだ。命令を無視して、基地 防衛の任務を放棄したことにある」 「そうだ。軍紀を守らなくては軍の規律が保てない。ましてや艦隊の司令官がそれを 犯すことは重罪の何物でもない」 「その通りだ。よって当法廷は被告アレックス・ランドール提督を、シャイニング基 地防衛に掛かる命令違反の罪を犯した者として裁くことを決定する。なお当法廷は軍 法会議である、その審議を被告が立ち会うことを認めない。よって被告は別室にて審 議裁定の結果が出るまで待機を命ずる」  予想通りというか、アレックスに好意的な審議官は数人程度で、ほとんどがニール センの息の掛かった者で、断罪処分の肯定的であった。  憲兵がアレックスの両脇に立って退廷を促した。  静かに立ち上がって、別室に移動するために退廷するアレックス。  その際、上官として参考人出席しているトライトン少将と目が合った。  しかし参考人に過ぎないトライトンには、アレックスに手を差し伸べることはでき なかった。  済まないと言う表情で、静かに目を閉じるトライトンだった。  アレックスの退廷を待って、審議が開始された。 「さて、ランドール提督の処遇であるが……」 「ちょっと待ってください」  先ほどの好意的な意見を述べた審議官の一人が、手を挙げた。 「もう一度、ランドール提督の処遇について再考慮していただけませんか?」 「どういうことだ?」 「ランドール提督は、総勢五個艦隊を撤退及び壊滅、そして略取して敵の司令長官を 捕虜にすることに成功し、最終的にはシャイニング基地の防衛を果たしたのは明確な 事実です」 「なぜだ? 奴は命令違反を犯したのだぞ。それだけで十分じゃないか」 「あなた方は、どうしてそうもランドール提督を処分なさりたいのですか? バー ナード星系連邦の侵略をことごとく粉砕し、共和国同盟に勝利をもたらした国民的英 雄をです」  その審議官の名前は、ケビン・クライスター評議員である。  軍法会議には、軍部からと評議員からと半数ずつが列席することが決められている。 軍部の独断による断罪を防ぐためである。  評議会議員からの参列者であるためか、トライトンやアレックスに好意的であり、 ミッドウェイ宙域会戦の功績を高く評価して、アレックスの三階級特進を強く働きか けたのも彼であった。  その背景には評議員が、国民の選挙によって選ばれるために、世論などの国民の動 向に逸早く反応するからでもある。早い話が次回の選挙に有利になるように、国民的 英雄というアレックスを祭り上げようとしているのである。ゆえにアレックスを処断 するなど到底賛同できないことである。 「軍には軍紀というものがあるのだ。上官の命令に服従することは、その基本中の基 本じゃないか。会社においても上司から命令されて仕事を進めることがあるだろう。 命令を無視されては、軍や会社が成り立たなくなるというのは、いくら評議員のあな たでも判らないはずがないと思うがね」 「だからといって、『死んでこい』と言われて、喜んで死んでいく者がいるだろうか。 不条理な命令には抗議する権利があるはずだ」

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