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2018年9月27日 (木)

銀河戦記/鳴動編 第二十三章 新提督誕生 III

第二十三章 新提督誕生

                III  オーギュスト・チェスター先任上級大佐(艦隊副司令)  ゴードン・オニール上級大佐(第一分艦隊司令)  ガデラ・カインズ大佐(第二分艦隊司令)  ルーミス・コール大佐(艦政本部長)  パトリシア・ウィンザー大佐(艦隊参謀長)  レイチェル・ウィング大佐(情報参謀長)  ディープス・ロイド中佐(旗艦艦隊司令)  以上が、第十七艦隊を支える大佐達である。  なお上級大佐及び先任上級大佐は階級ではなく職能級である。あくまで階級は大佐 であるが、職能給が追加支給されているし、艦隊内においては一般大佐級に対して事 実上の上官待遇にある。功績点において准将への昇進点に達し、かつ査問委員会にお いて次期将軍に推挙・承認されていることが任官の条件になっている。これは将軍ク ラスに定員制度があり、どんなに功績を挙げても定員による頭ハネ、昇進できないた めの士気の低下を防ぐために設けられた制度である。通称的に副将として呼び習わさ れている。  またディープスは、新生第十七艦隊の再編成と同時に大佐に昇進することが内定し ている。  アレックスはパトリシアに参考意見を求めてみた。 「後任の艦隊司令官だが、君なら誰を推薦する?」 「新任で作戦参謀の私やウィング大佐は論外として、艦隊再編成時に単身移籍してき たコール大佐も外れるでしょうね」 「ま、彼は長年政務担当を専門でやっているからな。艦隊を指揮させるには不適当 だ」 「やはり、実戦部隊を配下に持っているチェスター・オニール・カインズからですね。 順番からいきますとチェスター大佐ですが定年間近ということから勧奨退職が慣例と なっております。となるとオニール大佐が一番適当ということになります」 「慣例でいけばな」 「はい。一番妥当な線ではあります」 「カインズだって、私が特別推薦すれば准将になれる場合もあるしな……」 「オニール大佐を差し置いてですか?」 「ゴードンには、独立遊撃艦隊を与えることも考えている。以前の私みたいね。奴は 人の下に置かれるよりも、自由気ままに行動させた方が、その能力を存分に働かせら れるタイプだ。これまでは気のおける親友ということで、私の下でも存分に動いてく れたが、これからはそうもいかないだろう」 「それはいい考えですね」  パトリシアの意見通りにゴードンを推挙すれば、統帥本部もすんなり認めることで あろう。しかし……順番通りにチェスターでは、なぜいけないのか。と、アレックス はふんぎりがつけないでいた。  チェスター大佐は、現在五十九歳で定年まで僅か一年しかない。将軍となれば定年 は六十五歳まで延長されるとはいえ、それでも六年の在位でしかないことになる。艦 隊司令官が交代した時、将兵の末端まで新司令官の考えや人となりが理解され、意志 疎通ができるまでには数年はかかるだろうし、いざこれからというときにはもう定年 間近で次の後継者を考えねばならないというのでは……。  仮に年齢や現在の功績点などを一切考えずに、二人を天秤に掛けた時どちらが艦隊 司令官にふさわしいだろうか。いや、この結論はいうまでもない、絶対的にチェス ター大佐が選ばれるのが当然である。戦いを勝利に導く戦術能力はゴードンの方が勝 っていることは確かであるが、反面作戦を強引に推し進めて反感を買うことも多い。 その正反対をいくのがチェスターである。  有り体にいえば、ゴードンは戦艦を動かすことを考えて乗組員を従わせるが、チェ スターは乗組員を動員してから戦艦を動かすことを考える、という考え方の違いであ ろう。  作戦能力には猛るが作戦を強引に推し進めて退くことを省みないこともある若いゴ ードンと、老練で隙のない布陣を敷いて慎重に戦いつつ将兵達には温情をもって人望 熱いチェスター。  第十七艦隊を構成する部隊は、連邦軍より搾取した艦船と敗残兵や士官学校を繰り 上げ卒業した将兵など、はっきりいって寄せ集めの混成艦隊というのが、その実情で あった。そんな将兵達がなんとかこれまでついてきたのは、アレックス・ランドール 提督という英雄の存在と、数々の功績を上げて部下共々昇進してきたという餌が目の 前にぶら下がっていたからである。  将兵達が、これまでのように作戦指令に従って行動するかは、新司令官の裁量にか かっているといえる。ゴードンではどうか……少なくとも彼が育て上げたウィンデ ィーネ艦隊は問題ないだろうが、ライバル関係にあるカインズ配下のドリアード艦隊 やチェスターが連れてきた旧第五艦隊の面々が反目することは目にみえている。  ゴードンとカインズというライバル関係にある二人の競争心を煽ることによって、 結果として多大なる戦功を重ねてきたのであるが、二人が率いる分艦隊全体までが一 種の派閥と化して相容れない関係に近くなってきていることも事実であった。これま ではそれぞれに分艦隊を任せることで、人間関係の軋轢を回避できたのであるが、ど ちらかが艦隊司令官に選ばれるとなると、いっきに問題がこじれてくるであろう。  その点チェスターならば、移籍組みであり中立的位置にあったことと、温厚派で人 望もある。 「結局の問題は、年齢だけなんだよな」
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