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2018年10月16日 (火)

銀河戦記/鳴動編 第二十四章 新生第十七艦隊 V

第二十四章 新生第十七艦隊

                 V  タルシエン要塞の運用システムが正常に稼動をはじめて、アレックスは配下にある 部隊や軍人及び軍属の、タルシエンへの配置転換をはじめた。  これまではシャイニング基地が最前線だったのだが、それがタルシエン要塞となっ たわけである。最前線基地をタルシエン要塞として艦隊を集合させつつあった。  アレックスが第八師団司令官となったのを機に、新生第五艦隊と第十一艦隊がその 配下に加わった。それがタルシエン要塞に向かっていた。  タルシエンの収容艦艇は十二万隻しかないために、それをオーバーする艦艇は要塞 周辺に展開して、哨戒行動と警戒態勢。交代で休息待機に入るときのみ要塞内に入場 することとした。  要塞内にあって、もっともスペースを占有しているのが、中心核部にある反物質転 換炉である。半永久的にエネルギーを取り出せるとはいえ、あまりにも巨大過ぎた。 反物質を閉じ込めておくためのレーザー隔離システムが、その全体容量の三分の二を 占め、使用するエネルギーだけでも要塞内の全エネルギーを賄うことができるくらい である。考えれば実に無駄なことをしているとしか言いようがなかった。  すべては対消滅エネルギー砲という破壊力抜群の兵器運用のために建造されたとい っても過言ではないだろう。 「軍部の考えることは無駄が多い。確かに反物質を利用した対消滅エネルギー砲は破 壊力抜群だし、エネルギー問題は考える必要もない。しかし、動けない砲台など攻略 次第では無用の長物だ。が今更通常の核融合炉などに取り替えるわけにもいかないし な……」  取り替えるとなれば要塞全体を解体するよりないし、反物質の処理にも困る。二十 一世紀初頭、核廃棄物処理に困った地球連邦はカプセルに詰めて太陽に打ち込んだら しいが、反物質はそうはいかない。  アレックスは、司令官の就任式を無事終えたチェスターの第十七艦隊と、途中合流 する予定の新生第五艦隊及び第十一艦隊と共に、残しておいたゴードンの新生遊撃艦 隊の待つ、タルシエン要塞へ向かうことになった。  宇宙空間において合流した第五艦隊と第十一艦隊の司令を交えて、旗艦サラマン ダー艦上で初の会見が行われていた。  パトリシアがそれぞれの司令官を紹介していく。 「第五艦隊司令のヘインズ・コビック准将です。旗艦は空母ナスカ。今後の母港をカ ラカス基地とします」 「第十一艦隊司令のジョーイ・ホリスター准将です。旗艦は戦艦グリフィン。母港、 タルシエン要塞」 「第十七艦隊司令のオーギュスト・チェスター准将です。旗艦は戦艦ペガサス。母港、 シャイニング基地」 「そして第八師団総司令のアレックス・ランドール少将。旗艦はこの高速戦艦サラマ ンダー」 「後、ランドール提督直属の独立遊撃艦隊としてゴードン・オニール上級大佐がタル シエン要塞に駐留しております」 「ありがとう。ウィンザー大佐。彼女は、第八師団作戦本部長であるから、よろしく。 それとガデラ・カインズ大佐にも同席してもらった」  パトリシアとカインズは軽く礼をした。  顔合わせが済んで、サラマンダーのカフェテラスで、司令官と同伴の士官達がくつ ろいでいる。 「しかし、この旗艦は一体何なんだ。やたら女性が多いが……」  第五艦隊のコビック准将が周囲を見回すように言った。 「知らんのか、別名をハーレム艦隊というらしい。ここの艦橋は全員女性だし、女性 士官だけの部隊もあるそうだ。英雄としてのランドール提督の名声と、女性総参謀長 のウィンザー大佐の人気によって、士官学校から女性士官が続々集まってきているそ うだ。自然女性の割合が高くなってくる。どうだい、勃起艦隊とよばれる貴官の第五 艦隊の連中が喜ぶんじゃないか」  第十一艦隊のホリスター准将が答える。 「よしてくれよ。それは先任の旧艦隊司令の時のことだろう。いつまでも股間を膨ら ませているわけがない。俺が新生第五艦隊司令として任官されて以来、その悪名を取 り払おうと努力しているのは、君も知っているはずだが」 「悪い悪い。ともかくだ。それだけでなく、全体として青二才ばかりともいえる、第 十七艦隊の連中は。チェスターを除いてだが」 「俺達が戦闘の度に戦艦を消耗してそれぞれ五万隻に減らしているというのに、ここ にはオニール上級大佐の独立遊撃艦隊を含めて十三万隻の艦隊があるし、シャイニン グ基地には、連邦から搾取した三万隻の未配属艦艇も残っている。同じ准将だったと いうのにな」 「そう、その三万隻だ。提督からは、まだ発表されていないが、どこへ配属されるの だろうか」 「オニール上級大佐の独立遊撃艦隊に回されて、新たに正式な一個艦隊を組織して、 彼は准将に昇進するだろうというのが、最有力情報とのう・わ・さ・だ。オニール同 様、カインズ大佐に第二独立遊撃艦隊をというのもある」 「噂はあてにできん。チェスターが昇進したのだって、誰も想像だにしていなかった のだからな。どっちにしろ艦艇を動かす将兵がまだ足りなくて未配属のままだ」 「軍令部では、士官学校の学生を繰り上げ卒業させる人選に入ったそうだ」 「ともかく三万隻の艦隊の存在が明らかなのだし、それの指揮権を巡って第十七艦隊 では水面下で、駆け引きが行われているそうだ」 「三万隻を配属させるとなると、もう一人大佐を置かねばならないからな。中佐クラ スの連中がやっきになっておる。もちろんその配下の士官も必要だ」 「第十七艦隊にいる限り、昇進は保証されているってところだな」 『まもなくアル・サフリエニ宙域バレッタ星系に入ります』  艦内放送が告げていた。 「見ろ。要塞が見えてきた」  コビック准将の指差す窓の向こうにタルシエン要塞の雄姿があった。  それは近づけば近づくほどその巨大性に驚かされ、戦艦がまるで蟻のような小ささ に感じられるほどであった。 「こ、これがタルシエン要塞か……この要塞をたった十数人の特殊工作部隊だけで、 攻略したというのか」 「し、信じられん」
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