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2018年12月 9日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第一章 II

 機動戦艦ミネルバ 第一章

II トランター上陸  その数時間後。  連邦軍艦隊がL5地点に到着した。  それまで順調に進んできた艦隊が突然激しいショックを受け、停止や大幅な減速に 見舞われていた。  先行する一番艦の艦長。 「どうした?」 「判りません。何か艦の外に液体状のものがあります。それで進行を妨げられている ようです」 「調べろ!」 「調査中です」  やがて報告がもたらされる。 「付近一帯にあるのは、液体ヘリウム4です。宇宙空間の極低温による影響下で超流 動状態となっております」 「超流動のヘリウム4だと?」 「超流動により艦がいわばスリップに近い状態に陥っておりまして、エンジンを噴か せてもヘリウムのみが後方に跳ね飛ばされるだけで、艦自体は全然前に進まないので す」 「ちっ! メイスン司令に連絡して後続の艦隊をL5から迂回させろ」 「了解。メイスン司令に連絡。後続部隊を迂回させます」 「しかしこんなことをしても無駄なだけでしょうにね」 「いや、重力の強い場所での転回は燃料を余計に消費するだけでなく、時間もかなり 遅れることになる。敵の目的はそこにあるのだろう」 「時間稼ぎですか?」 「そうだ……」  ニュートリアル艦橋。 「どうやらうまくいったようですね。敵艦隊がコースを変更しました」 「これでおよそ一時間は余計に稼げたでしょう。何とか地上に輸送艦を降ろすことが できます」 「しかし超伝導に利用するヘリウムをほとんど捨ててしまいました。後で問題が起き なければ良いのですが……」 「まあ、何とかなるでしょう。地上でも生産できないわけでもなし、それよりも最新 型のモビルスーツを降ろせることの方が大切です」 「そうでした」  やがてトランターの衛星軌道宇宙ステーションが近づいてきた。  輸送船団は軍港に入っていくが、護送船団は外で待機すべき停止した。  ニュートリアルから一隻の艀が発進して、ステーションのドック内に入ってゆく。  ステーション内軍港の桟橋。  ステーションに降り立ったフランソワと、艀の搭乗口に立ったままの副官。 「我々の護送任務はここまでです。これより帰還します」 「ありがとう、途中には敵艦隊がうようよしているはずです。気をつけてください」 「なあに、逃げるのは第十七艦隊の得意技ですから」 「うふふ。そうでしたわね」 「それでは、ご武運を」  敬礼する副官。  フランソワも敬礼を返しながら、 「提督や、総参謀長によろしくね」 「はい。かしこまりました」  やがて艀が桟橋を離れていく。  一人残されたフランソワは、本星上陸手続きのために、入国管理所へと歩き出した。 「結構です。ようこそ、トランターへ。といいたいのですが、敵艦隊が迫っています。 上陸はお早めにお願いします」 「わかりました」  手続きはすぐに済んで、上陸用のシャトルバスが発着するプラットホームへと向か った。  が、すぐに宇宙ステーション内に大きな衝撃が起こった。足をすくわれるように転 んでしまうフランソワ。 「これは、ミサイル攻撃?」  次々と衝撃の波は伝わってくる。 「もうここまで来たのね。はやくシャトルに乗らないと……」  ミサイル攻撃の衝撃に何度も、身体をふら付かせながらプラットホームへと急ぐ。  だがタッチの差でシャトルが発進してしまった。それ以外にはシャトルは見当たら なかった。おそらく敵艦隊の接近を知って、出航を早めてしまったのであろう。 「あ……。行っちゃった……。参ったな、ミネルバに到着しないうちに、早くも任務 失敗か」  地上に降りる手段は、もうないだろう。  諦めたその時だった。 「フランソワ・クレール大尉でいらっしゃいますか?」 「そうですけど……」 「レイチェル・ウィング大佐の命令でお迎えにあがりました。スコット・リンドバー グ少尉です」 「ウィング大佐の?」  その時、大きな衝撃が宇宙ステーション全体を襲った。 「今の衝撃は、大きかったわね。主要な施設が破壊されたかしら」 「早くこちらへ、専用のシャトルを待たせております。走りますよ」 「わかりました」  少尉について駆け出すフランソワ。  やがて桟橋の一画に小型のシャトルが泊まっていた。  さらに駆け足を早めて、そのシャトルに急ぐ二人。 「連邦軍がすぐそこまで迫っています。直ちに出発します」  パイロットらしき軍人が出迎えていた。 「よろしく!」  挨拶もそこそこに乗船すると、すぐにシャトルは発進した。  宇宙ステーションを飛び出し、地上へと降下してゆく。  振り向けば至るところで爆発炎上している宇宙ステーションがあった。そして遠く に迫り来る敵艦隊の一群が目に入る。 「間一髪ね」  ほっと胸を撫で下ろすフランソワだった。 「安心は出来ません。すでに敵艦隊の一部が降下作戦に入っています」 「ミネルバはどうなっていますか?」 「まだ、大丈夫だとは思いますが、油断はなりません。いつ攻撃を受けるやも知れま せん」 「とにかく急いでください」 「判ってます」  上空から間断なく軌道爆雷が飛来してくるその中を、右に左にと避けながらシャト ルが飛行している。 「大丈夫ですか?」 「これくらいなら平気ですよ。軌道爆雷は地上基地攻撃が目的ですから、着発型の信 管使ってますので多少接触しても大丈夫。問題は地上基地発射の迎撃ミサイルですね、 近接信管だから二十メートル前後に近づいただけでお陀仏です。味方に撃ち落される のは御免ですよね。まあ、まかせてください」 「よろしくお願いします」 「しかし、大尉殿もついてませんね。着任そうそう、この有り様ですからね」 「ミネルバも、攻撃を受けてるかしら」 「第一次攻撃ですからね、対空兵器が設置されている軍事基地に限定されているでし ょう。ミネルバは基地を離れていますから難を逃れているはずです」 「揚陸艦が降下してきて掃討作戦が始まるまでには何とか……」
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