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2019年1月 6日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第一章 VI 水中潜航

 機動戦艦ミネルバ

VI 水中潜航  水中潜航しているミネルバ。  艦内において、音を立てないように息を潜めている隊員達。 「だいぶ時間が経ちました。そろそろ、いいのではないでしょうか?」 「そうですね。でも、念のために、海上ドローンを投入して上空を探査してくださ い」  上部ハッチが開いてワイヤーに繋がれたバルーンがするすると浮上していく。  海上ドローンは、潜水艦が上空の敵機・艦隊を索敵するために、超小型レーダーを 搭載したバルーンで、ワイヤーを通して情報を得ることができる。 「ドローン、海上に到達。索敵を開始します」  ドローンからのデータが、レーダー手の前面パネルに投影された。 「海上及び上空には敵影の存在ありません」  オペレーターが答える。 「どうやら去っていったようですね」 「騙されたかどうかは判りませんが、潜航艦相手に揚陸艦では戦闘になりません。ひ とまず追撃を断念して、他の地区へ転戦したのでしょう」 「どうします。浮上しますか?」 「いえ、もうしばらくこのまま潜航していきましょう。ヒベリオンが弾切れでは、攻 撃されたらたまりませんからね」  ミネルバには弾薬が乏しく敵に発見されにくい潜航を選ぶのは当然である。 「わかりました」  ミネルバには、超伝導現象を巧みに利用してジェット水流を起こし後方に噴出する ことで水中を高速で移動できる、ハイドロジェット推進機関(HJE)が搭載されて いる。高速とはいっても他の水中艦艇に比べてであり、移動速度では空中を進んだほ うが圧倒的に速いのは確か。隠密行動が出来る点で便利ということと、空中ではエン ジンを止めれば落下してしまうが、水中ならば浮力に支えられているから、水中抵抗 を差し引いても燃費が良いこともある。反面、主砲や高性能索敵レーダーをはじめと して大半の武装が使えなくなるので防備の面で不利となる。水中艦艇や水中アーマー に出くわし魚雷を受けたらひとたまりもなく水没してしまう。その時のために速やか に空へ舞い上がる準備だけは怠れない。 「ハイドロジェット推進機関始動開始」 「ハイドロジェットエンジンに海水注入開始。補助ポンプ始動」 「超伝導コイルに電力投入開始。融合炉よりの電力供給に異常なし」 「エンジンへの注水完了」 「電力ゲージ、五十パーセント」 「エンジン内、圧力上昇中」  ハイドロジェット推進は電気推進の一種であるから、内燃機関のように艦内の空気 を消費したり汚染したりしないので、非常にクリーンであるといえる。長時間の潜航 が可能となるのも便利である。  頃合良しとみてフランソワは艦を発進させた。 「ハイドロジェット、微速前進」 「ジェットノズル弁解放」 「微速前進」 「進路は?」 「北緯三十五度、東経百二十度のパラリス諸島へ向かってください。補給艦と合流し て燃料・弾薬の補給を受けます」 「どうしてそこに補給艦がいると?」 「こちらに来る時の命令書に指示が書いてありました。基地出立の後パラリスへ向か えとね」 「なるほど。こうなることは予想済みというわけですか」 「目標到達予定時間は?」 「十一時間三十二分後であります」 「それでは、交互に休息を取らせてください」 「わかりました」  航海士のスチュワード・スミス少尉が、現在位置と目標点から即座に航路を計算し て進路を示した。 「進路を一四○に取る。取り舵二十度」  それを操舵手が復唱して確認する。 「進路一四○」 「取り舵二十度」 「戦闘配備を解除。第二級警戒体制に」 「戦闘配備解除。第二級警戒体制」 「三十分後に各部署の長を作戦室に集合させてください。それまで艦長室にいます。 副長、後をよろしく」 「わかりました。三十分後ですね」 「あ、艦内を案内します」  イルミナが後を追いかけた。 「その必要はありません。艦内の見取り図はすべて記憶していますから」  と微笑みながら、イルミナの申し出を断るフランソワ。 「そうですか……」  ちょっと残念そうに元の席に戻るイルミナ。 「ほう……」  という声があちこちから漏れる。 「艦内見取り図どころか、ミネルバの戦闘装備についても全部理解していましたよ」 「そういえば、戦闘指示だって一つのミスや思い違いしていない」 「水中潜航には専任の潜航士官が別にいることもちゃんと知っていましたし」 「さすがに、艦長に選ばれてくるだけのことはあるというわけか」 「そりゃそうですよ。今回の艦長の任務には、佐官昇進試験をも兼ねているんでしょ う?」 「士官学校卒業したばかりで、もうすでに佐官候補生か……」 「そんなエリート艦長がやってくるところをみると、今回ミネルバに与えられた作戦 も、かなり重要だと俺はみたね」
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