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2019年7月 5日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の玖

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪

其の玖 現場百回  神田家の玄関先の両側に立てられた葬儀用花輪。  行き交う人々は黒衣に身を包み、厳かに家の中に入ってゆく。  近場には、井上課長も覆面パトカーの中で待機している。  訪問客に不審な者がいないかチェックしていたのである。  そこへ蘭子が訪れて、井上課長と何事か話し合った後に、葬儀場へと向かう。  今日は同級生としてではなく土御門春代の名代としての出席である。神田家は土御門 神社の氏子だったからである。  受付に一礼してお悔やみの言葉を述べる。 「この度はご愁傷様です」  懐から取り出した袱紗(ふくさ)から香典を出して渡す。  案内係の指示に従って着席する。  棺に近い場所には父親と美咲がおり、重苦しい表情をしている。  やがて住職が入場して、読経がはじまる。  ほぼ出席者が揃ったところで、読経が止まり故人と最も親しかった関係の深い人の弔 辞。  弔辞が終わると再び読経、僧侶が自ら焼香をしたら、喪主・遺族・親戚・そして席次 順に焼香がはじまる。  やがて蘭子の番となり、恭しく前に進んで喪主に軽く挨拶してから焼香をあげる。  美咲は終始俯いたままで、一度も顔を上げない。  焼香が一巡したところで僧侶が退場。  喪主が立ち上がって、最後の挨拶を行って閉会となる。  出席者は別室に移って、遺族たちの故人との最後のお別れが行われる。  それが済むと出棺となる。  一同が玄関先に集まって、棺が霊柩車に納められ、喪主の最後の挨拶。  全員の合掌・黙祷が行われる中、静かに霊柩車と遺族の車は静かに出発する。  見送る蘭子に井上課長が近づいてくる。 「何か変わったようなところはなかったかね」 「いえ、何もありませんでした」 「ふむ……もう一度、現場に行ってみるか」 「そうですね、現場百回と言いますから」  というわけで、神崎美咲の母親の遺体発見現場へとやってきた。  住宅街の一角にある児童公園の片隅、木々の生い茂った場所。  一部に「チョーク・ライン」がうっすらと残っていた。  遺体の周りをチョークで囲うアレである。  しかし実際の現場検証では、チョーク・ラインを引くことはない。  警察などの現場検証が終わった後に、新聞記者などが写真撮影で分かりやすくするた めに書いているのがほとんどである。  被害者の血液なども流れでていた跡がうっすらと残っている。 「ここが遺体発見場所ですか」 「その通りだ」
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