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2019年9月14日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 IV

第四章 皇位継承の証
                 IV  パトリシアの前に立ち、神妙な表情で話しかける。 「ちょっとよろしいですかな?」 「何か?」 「その首飾りを見せて頂けませんか?」 「え? ……ええ、どうぞ」  パトリシアの首に掛けたまま、首飾りを手にとって念入りに調べていたが、警備 兵を呼び寄せて、 「あなた様は、この首飾りをどこで手にお入れなさりましたか?」  と、不審そうな目つきで尋ねる。 「ランドール提督から、婚約指輪の代わりに頂きました」 「婚約指輪ですか?」  今度はきびしい目つきとなり、アレックスを睨むようにしている。 「申し訳ございませんが、お二人には別室においで頂けませんか?」  警備兵が銃を構えて、抵抗できない状況であった。 「判りました。行きましょう」  承諾せざるを得ないアレックスだった。  ほとんど連行されるようにして別室へと向かう。  首飾りも詳しい調査をするとして取り上げられてしまった。  案内されたのは、元の貴賓室であった。犯罪性を疑われているようだが、帝国の 恩人で摂政から客員提督として叙された者を、無碍にもできないというところであ った。それでも警備兵の監視の下軟禁状態にあった。  しばらくして、首飾りを持って侍従長が戻ってきた。 「さてと……。改めて質問しますが、提督にはこの首飾りをどちらでお手に入れら れましたか?」  という侍従長の目つきは、連行する時の厳しいものから、穏やかな目つきに変わ っていた。 「どちらで……と言われましても、私は孤児でして、拾われた時に首に掛けられて いたそうです。親の形見として今日まで大事に持っていたものです」 「親の形見ですか……。提督のお名前はどなたが付けられたのですか」 「それも拾われた時にしていた、よだれ掛けに刺繍されていたイニシャルから取っ たものだそうです」 「よだれ掛けの刺繍ですね」 「はい、その通りです」 「なるほど、良く判りました。それでは念のために提督の血液を採取させて頂いて もよろしいですか?」 「血液検査ですね」 「はい、その通りです」 「判りました。結構ですよ」  早速、看護婦が呼ばれてきて、アレックスの血液を採取して出て行った。 「結果が判るまでの二三日、この部屋でお待ち下さいませ。それからこの首飾りは 提督の物のようですから、一応お返ししておきます。大切にしまっておいて下さ い」 「イミテーションではないのですか?」 「とんでもございません! 正真正銘の価値ある宝石です」 「これが本物?」  言葉にならないショックを覚えるアレックスだった。  これまで偽造品だと信じきっていて、親の形見だと思って大切にはしてきたが… …。まさかという気持ちであった。 「そう……。銀河帝国皇家の至宝【皇位継承の証】です」  重大な言葉を残して、侍従長は微笑みながら部屋を出て行った。
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