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2019年9月20日 (金)

妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の廿壱

陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪(最終回)

其の廿壱 顛末  土御門神社の自分用の部屋。  布団を敷いて美咲を寝かしつける。  傍には白虎も寄り添っている。 「ありがとう。もういいわ」  白虎を優しく撫でると、軽く鳴いて静かに消えた。  何事も知らずに軽い寝息を立てている美咲の顔を見つめる蘭子。  つと立ち上がり、胞衣壺を抱えて向かった先は、土御門神社内にある書物庫。  書物庫はもちろん敷地全体に、魔物や怨霊の侵入を防ぐ結界が厳重に張られている。  結界陣を開封して中に入り、開いた棚に静かに安置する。 「これでもう、世を惑わせることもないでしょう」  再び結界陣を元に戻して、書物庫を後にする蘭子。  翌日の土御門神社の応接間。  井上課長、土御門春代、美咲と父親、そして蘭子が一堂に会していた。  事件の詳細を説明する蘭子。  その内容に驚愕する父親と、まるで記憶にないので首を傾げるしかない美咲。  重苦しい雰囲気が漂う中で、最初に口を開いたのは春代だった。 「さて刑事殿。この事件の顛末をどうつけるつもりだい?」  問われて言葉に詰まる井上課長だった。  警察の役目は事件についての捜査を行い、被疑者の身柄や証拠などを検察へ送ること。  一般的思考でいうなら、今回の事件の犯人は、神田美咲であることに違いはない。  【人にあらざる者】が介在していることなど、理解の範疇には存在しないので、呪術 や魔法といった非科学的な犯罪は取扱しない。  有名なところでは、藁人形に釘を打って対象を呪い殺す丑の刻参りがあるが、非科学 的で刑法も民放もこれを認めていない。  現代の警察は科学捜査を基本としているからだ。  美咲の部屋を捜査すれば、殺人現場の証拠は出るだろうが、犯人は誰か?となれば当 然として美咲の名が挙がる。  殺人を立証するには、  殺人方法  殺害時刻  凶器  動機  アリバイ  遺体の移送方法  などを検証しなければならない。  遺体移送方法はもちろんの事、凶器は壺の中に封印済み、とにかく魔人のしでかした ことの解明は不可能だろう。  人事考課に汚点を残すことになるが、迷宮入りにするほかにないと考えていた。  翌日。  美咲の部屋に入った蘭子。  魔人の術法によって人の目に見えなくなっていた血痕が、その消滅によって再び露わ になっていた。  式神を使役して床にこびり付いた血痕を、綺麗に拭い去った。  ルミノール反応にも出ないほどに。 「証拠隠滅だけど……仕方ないわよね」  井上課長の同意も得ていた。  そもそも凶器の刀子も壺の中だし……。  数日後の阿倍野高校一年三組の教室。  一時限目開始のチャイムが鳴ると同時に、美咲が入室してくる。 「おはよー!」  それに答えるように、クラスメートも応答する。 「おはよう」 「ひしぶり~」 「もういいの?」 「ありがとう、大丈夫よ」  口々に挨拶が交わされる。  そういったクラスメートから離れて、窓辺の自分の席に座り、ぼんやりと庭を見つめ ていた。  一つの事件は終わった。  しかし、これで終わりではない。  一つの事件は解決したが、蘭子の【人にあらざる者】との戦いはこれからも続く。 胞衣壺(えなつぼ)の怪 了
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