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2019年10月 5日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 Ⅶ

第四章 皇位継承の証
                 Ⅶ 「でも、メグ。あのロベール王子にしたって、正式に皇太子になるのはまだ先のこ と。悠長なこと言っていると、総督軍なり連邦軍が押し寄せてくるわよ」  姉妹が議論している中、帝国の法律や儀式のことを全く知らないアレックスは、 ただ聞き役に回るしかなかった。また末娘のマリアンヌも黙々と食べているだけだ った。 「援助物資を供給するだけなら何とかなるけど……。ただし、解放軍が自ら引き取 りに来るという条件付だけどね」 「無理よ。解放軍は帝国から共和国の向こう側にあるのよ。輸送艦隊を襲われたら 元も子もないじゃない」 「唯一つ、裏道があるのよ」  エリザベスが告白した。  それは、アレックスを銀河帝国統合軍宇宙艦隊司令長官に任命するというものだ った。  銀河帝国宇宙艦隊全軍を指揮統制できるのは、事実上として司令長官ということ になっており、歴代の皇太子が務めることが慣例として行われていた。  皇太子イコール宇宙艦隊司令長官という図式が成立していたのである。  あくまで慣例であって、憲法や法律には明確な規定は設けられていなかった。こ こに、裏道が存在するのである。法令に定められていなければ、摂政権限で特別条 令を発動して、アレックスを宇宙艦隊司令長官に任命することが可能だというので ある。  だからと言って、無制限に特別条令を発動できるわけではない。他国が侵略して きたなどの非常事態となり、帝国艦隊全軍で迎撃しなければならなくなった時など に限られる。  そもそも帝国辺境には、御三家が自治領宇宙艦隊の保有を認められて防衛陣を敷 いているわけだから、初動防衛に統合軍が動くことはなかった。 「でもこれからは、、以前にも比して総督軍や連邦軍の干渉が増えると思うわ。な ぜって帝国軍に新たなる名将が加わったのだから。共和国同盟の英雄と讃えられた アレックス・ランドール提督が帝国軍の全権を掌握したら、もはや侵略の機会は失 われる。だからこそそうなる前に、何とかしようと考えるはずよ」  そう発言するジュリエッタの考えは正しい。  総督軍や連邦軍と互角に戦うには、平和にどっぷりと浸かって退廃ムードにある 帝国軍を、一から鍛えなおす必要もあった。帝国艦隊全軍を掌握したとしても、い ざ戦いとなって将兵達が逃げ腰では意味をなさない。  速やかに宇宙艦隊司令長官を任命し、迫り来る敵艦隊との総力戦に備えておくべ きだ。  ジュリエッタは、一刻も早くの司令長官任命を力説した。  それに対して摂政という立場からエリザベスが説明する。  宇宙艦隊を動かすには、すべからく軍資金が必要となってくる。燃料・弾薬はも ちろんのこと、食料や兵士達の給料・恩給の積み立て、港湾施設での整備費用に至 るまで、その資金を動かす権限を持っているのは、大臣達だからである。  その大臣達の意向を無視するわけにはいかないし、だいたいからして保守的で頭 の固い彼らの賛同を得るには、並大抵ではないということである。  やはり絶対的権限を有する皇太子とならない限りは、本当に自由に艦隊を動かせ ないということである。 「摂政とて、そう簡単には決断を下せない難しい問題なのよ」  エリザベスが深いため息をついた。
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                 Ⅶ 「でも、メグ。あのロベール王子にしたって、正式に皇太子になるのはまだ先のこ と。悠長なこと言っていると、総督軍なり連邦軍が押し寄せてくるわよ」  姉妹が議論している中、帝国の法律や儀式のことを全く知らないアレックスは、 ただ聞き役に回るしかなかった。また末娘のマリアンヌも黙々と食べているだけだ った。 「援助物資を供給するだけなら何とかなるけど……。ただし、解放軍が自ら引き取 りに来るという条件付だけどね」 「無理よ。解放軍は帝国から共和国の向こう側にあるのよ。輸送艦隊を襲われたら 元も子もないじゃない」 「唯一つ、裏道があるのよ」  エリザベスが告白した。  それは、アレックスを銀河帝国統合軍宇宙艦隊司令長官に任命するというものだ った。  銀河帝国宇宙艦隊全軍を指揮統制できるのは、事実上として司令長官ということ になっており、歴代の皇太子が務めることが慣例として行われていた。  皇太子イコール宇宙艦隊司令長官という図式が成立していたのである。  あくまで慣例であって、憲法や法律には明確な規定は設けられていなかった。こ こに、裏道が存在するのである。法令に定められていなければ、摂政権限で特別条 令を発動して、アレックスを宇宙艦隊司令長官に任命することが可能だというので ある。  だからと言って、無制限に特別条令を発動できるわけではない。他国が侵略して きたなどの非常事態となり、帝国艦隊全軍で迎撃しなければならなくなった時など に限られる。  そもそも帝国辺境には、御三家が自治領宇宙艦隊の保有を認められて防衛陣を敷 いているわけだから、初動防衛に統合軍が動くことはなかった。 「でもこれからは、、以前にも比して総督軍や連邦軍の干渉が増えると思うわ。な ぜって帝国軍に新たなる名将が加わったのだから。共和国同盟の英雄と讃えられた アレックス・ランドール提督が帝国軍の全権を掌握したら、もはや侵略の機会は失 われる。だからこそそうなる前に、何とかしようと考えるはずよ」  そう発言するジュリエッタの考えは正しい。  総督軍や連邦軍と互角に戦うには、平和にどっぷりと浸かって退廃ムードにある 帝国軍を、一から鍛えなおす必要もあった。帝国艦隊全軍を掌握したとしても、い ざ戦いとなって将兵達が逃げ腰では意味をなさない。  速やかに宇宙艦隊司令長官を任命し、迫り来る敵艦隊との総力戦に備えておくべ きだ。  ジュリエッタは、一刻も早くの司令長官任命を力説した。  それに対して摂政という立場からエリザベスが説明する。  宇宙艦隊を動かすには、すべからく軍資金が必要となってくる。燃料・弾薬はも ちろんのこと、食料や兵士達の給料・恩給の積み立て、港湾施設での整備費用に至 るまで、その資金を動かす権限を持っているのは、大臣達だからである。  その大臣達の意向を無視するわけにはいかないし、だいたいからして保守的で頭 の固い彼らの賛同を得るには、並大抵ではないということである。  やはり絶対的権限を有する皇太子とならない限りは、本当に自由に艦隊を動かせ ないということである。 「摂政とて、そう簡単には決断を下せない難しい問題なのよ」  エリザベスが深いため息をついた。
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