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2020年1月

2020年1月30日 (木)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-8


あっと! ヴィーナス!!第二部

第二章 part-8

 

 アポロの居城。
 すでに玉座についているアポロ。
 その両脇には、弘美と愛が眠らされて椅子に座っている。
「さて、一応話を聞いてやろうか」
 神子に酒を注がせながら余裕綽々ヨユウシャクシャクの態度で応対する。
「おまえが拉致するのを命じられたのは、弘美だけだろう。なぜ愛も連れ去る?」
「ああ、黒服が間違えたのは謝るよ。その黒服は、ほれ、そこの石像になっている」
 アポロが指差した先には、確かに黒服そっくりの顔つきをした石像が置かれていた。
「間違いを犯したと言うだけで、石像にするのか?」
 ヴィーナスが追求する。
「心配するな。ほんの一時のことだ」
「神暦時間でだろ。人間の時間にして何百年だ?」
「人間の時間に直してどうなる。ここは天上界だ」
「長年、人間の運命管理していたから、人間時間が身についてしまったわ」
「なるほど……。ともかく一旦わたしの元に来た者は、何があろうともわたしのものだ」
「だがな、弘美はともかく愛は無関係だろ。ヘラ様はともかく、ゼウス様に知れれば懲戒
ものだぞ。解放してやれよ」
 ディアナが忠告する。
「ゼウス様か……」
 ふふんと鼻を鳴らすような態度で、
「そもそもファイルーZなどという可愛い女の子リストを作成するゼウス様に、わたしの
ことを責めるには及ぶまい」
 と、相手にもしない雰囲気だ。
「ふぁああ!よく寝た……」
 大きな欠伸と共に弘美が目覚めた。
「あれ?ここはどこだ?」
 キョロキョロと辺りを見回す。
「弘美!」
「ヴィーナスじゃないか!ディアナもいるな」
 まだ、現状を把握していない様子だった。
「ところで、隣のこいつは誰だ?」
 アポロを指差して訊ねる。
 が返答する前に、
「あれ?そのまた隣にいるのは、愛ちゃんじゃないか!」
 椅子を立ち上がり、アポロの前を横切って、愛のところに駆け寄る。
「愛ちゃん!大丈夫?」
 声を掛けるが返事は無い。
 まだ眠っているのか?
「これは、どういうことだよ?」
 ヴィーナスに向かって問いただす。
「それは、そこにいる人物に聞くんだな」
 とアポロを指差すヴィーナス。
 向き直り、
「おい、おまえは誰だ!?」
 と訊ねる。
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2020年1月29日 (水)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-7


あっと! ヴィーナス!!第二部

第二章 part-7

 

 天上界にあるゼウスの妻、ヘラの神殿。
 イライラと玉座の前を、行ったり来たりしているヘラがいる。
「アポロはまだか?」
 弘美を捕らえたという報告を受けていた。
「まだのようです」
「今度また人違いだったら、ただじゃおかないからね」
 この目でしっかりと確認しないと安心できない。
 ファイルーZの存在を知って以来、是が非でも邪魔しようと思っている。
 そのリストにあったかつての女性たち。
 ヘレネー(スパルタ王テュンダレオースの娘・実父ゼウス)から始まって、
クレオパトラ7世(古代エジプト・プトレマイオス朝最後のファラオ)
虞美人(楚の将軍項羽の愛妾)
則天武后(唐の皇宗の皇后から中国唯一の女帝となる)
楊貴妃(唐玄宗の皇妃)
小野小町(平安時代前期の歌人)
エリザベス1世(英国女王)
エカテリーナ2世(ロシア女帝)
ジャンヌダルク(英仏百年戦争の英雄)
インディラ・ガンジー(インド初の女性首相)
クララ・バートン(米国赤十字の創始者)
マリリンモンロー(米国超有名な歌手)
マーガレット・サッチャー(鉄の女と称された英国首相)
などなど……。
 なおリスト上の女性について当局は一切関知しない。保存ディスクは当人の死亡と同
時に自動的に消滅した。

 

 そして、相川弘美だ。

 

「アポロ様がお見えになりました」
 神子の声に振り返り、駆け寄るヘラ。
「首尾は?」
 頭上左右に浮遊させた状態で、弘美と愛を運んできたアポロ。
「ご覧のごとく」
 ヘラの視線が弘美に集中する。
「確かに、ファイルーZの娘じゃ」
「というわけで、この娘たちは貰い受けた」
「ふん。好きにするがよい」
 言いながら玉座に腰を下ろすヘラ。
 ファイルーZの娘が、ゼウスにさえ渡らなければ、アポロの妻になろうが下僕になろ
うが、どうでもよいことなのである。
 改めて許可を貰ったので、弘美と愛を連れて自分の居城へと向かおうとする。
 そこへ、ヴィーナスとディアナが登場する。
「待ってください!」
「なんだ?お前たちは呼んでおらんぞ」
「アポロ様に用があります」
「ならばアポロと話し合え。わたしは忙しいのだ」
 手を振って、シッシッと追い払うような仕草する。
「わたしの城で話そう」
「わかった」
 ということで、アポロの城へと向かった
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2020年1月28日 (火)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-6

あっと! ヴィーナス!!第二部
第二章 part-6

「バルス!」
 エンジェルが最後のボタンを押した。
 と同時に、コントロールルームが激しく振動した。
「な、なに?」
 慌てて飛び上がって、制御盤から離れる。
 何事かとしばらく様子を見ていたが、床や壁が次々と崩壊していくのを見て、ディアナ
に報告しなきゃと、その場を離れた。
 天井が崩れて落下してくるのを避けながら急ぐエンジェル。

 アポロンのいる玉座付近でも騒動が起きていた。
 足元から城が崩れてゆくのに動揺するヴィーナス達。
「城が崩れる!」
 そこへエンジェルが駆けつけて、実情をディアナに報告する。
「城から離れないと」
 天駆ける戦車を呼び寄せるディアナ。
「弘美は?」
 心配になったディアナが見たものは、バリアーの中で平然としているアポロンと茫然自
失のままの弘美だった。
 天空城が崩壊する中、バリアーは完全防御状態で、その中は安全地帯となっていた。

 天空城は崩れ去った。
 しかし、アポロンのいるバリアーは球体状となって浮かんでいた。
 玉座に座ったアポロン、取り巻きの神子、そして愛も弘美も無事息災であった。
 球体の周りを飛び回る、天駆ける戦車に乗ったディアナとヴィーナス。
「なんてことだ」
 上へ上へと昇ってゆく球体を追いかけながら、自分達の浅はかさに悔しがる女神。
 アポロンの深層意識までは読みきれなかったという。
「アポロンの行き先は、判っている」
「ヘラ様のところね」
「その通りだ」
 ヘラのいるところ、天上界へと向かう女神だった。
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2020年1月27日 (月)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-5

あっと! ヴィーナス!!第二部
第二章 part-5

 アポロが決断を迫る。
「さあ、人質交換に応じるのかな」
 愛は可愛いが、ゼウスのお気に入りリスト【ファイルーZ】の弘美は、さらに可愛い。
 成長すれば、それこそ絶世の美女となりうるのだ。
 アポロにしてみれば、愛より弘美を選ぶのは当然だろう。
 たじろぐ弘美。
 愛は助けたい。
 かといって、人質交換に応じて、アポロの元に行くのも、吝かやぶさかである。
「どうするかね?」
「本当に愛を解放する気はあるのか?」
 ヴィーナスが確認する。
 アポロの周りを見渡せば、篭絡ろうらくした女の子や神子をはべらしているのだ。
 弘美を手に入れても、愛を手放すとは言い切れない。
「約束しよう」
「言い切ったな。約束したぞ」
 ヴィーナスとディアナが見詰め合って確認している。
「さあ、こちらへ来なさい」
 アポロが手招きする。
 躊躇ちゅうちょするが、愛を助けたい気持ちには変わらない。
 ここにはヴィーナスとディアナという女神がいる。
 愛と自分を助ける算段をしているかも知れないし。
 ゆっくりと前へ、アポロに向かって歩き出す弘美。
 時々振り返りながら。
 後数歩にまで来たときだった。
 突然、弘美を含めたアポロの周囲にバリアーのようなものが発生して、女神との間を遮断した。
「何をした!?」
 ヴィーナスが近づこうとしたが、バリアーが進入を防いで、その身体を弾き飛ばした。
「だましたな!約束が違うじゃないか」
 ディアナが叫ぶ。
「はて?何か約束をしたかな?」
 知らぬ存ぜぬといった風情のアポロ。
「弘美、大丈夫か?」
 何があったのか、茫然自失状態の弘美。
 愛は可愛い、弘美はもっと可愛い。
 女たらしのアポロが、どちらか一方を手放すと思ったのが間違いだったのだ。
 地団太踏んでくやしがる女神。
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2020年1月26日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第六章 新造戦艦 サーフェイス I

 機動戦艦ミネルバ/第六章 新造戦艦サーフェイス
I

 鳥が飛び交い獣が駆けるジャングルの中、実戦訓練が繰り広げられている。
 ペイント弾が装填された火砲を携えて、慎重に狙撃相手を探す者がいた。
 操縦桿を握りモニターを見つめ、外の気配に耳を澄ますアイクがいた。
 右手方向からガサゴソと音が聞こえた。
「そこか!」
 身を構えて火砲を放つアイク。
 相手は素早く身をかわして木陰に隠れた。
「遅いんだよ。アイク」
 ジャンであった。
 身を翻して反撃してくる。
 アイクとジャンの操縦能力は、ほぼ互角のようであった。
 そのような戦闘状況は、ミネルバの艦橋でもモニターしていた。
「あの二人、なかなかやるじゃないですか。反射速度は並じゃないです。士官学校ではし
ょっちゅうサボっていたらしいですが」
「外見からだけでは判りませんからね。ランドール提督が、その良い例です」
「ああ、噂は聞いていますよ。艦長は提督の後輩でしたね」
「まあね……いろいろと、その人となりを見せ付けられました」
 そんな会話の間にも、二人の戦闘は続いている。
 アイクとジャン以外にも実戦訓練に参加している訓練生は多数いた。
 燃料切れを報告してくる機体が出始めていた。
「意外と早かったですね。もうしばらく動けるはずですが」
「まだまだ未熟だからでしょう。実戦投入はまだ無理ですね」
 頃合い良しとみて、
「訓練は終了。全機帰投させてください」
「了解しました。全機帰投させます」

 ミネルバ艦橋で、ナイジェル中尉とオーガス曹長が、フランソワ艦長に訓練状況の報告
をしている。
「今後も怠りなく、艦内での訓練を続けてください」
「了解!」
「以上です。下がって結構です」
 踵をカッと合わせ、敬礼して退室するナイジェル中尉とオーガス曹長。
 廊下を歩きながら話し合う二人。
「今回の訓練では、例の二人が結構良い動きをしていましたね」
「ああ、意外だった。この分だと、実戦投入一番乗りになるだろう」

 突然、警報が鳴り響いた。
『敵機来襲!総員戦闘配備!!』

「訓練生を回収した後で良かったですね」
「そうだな。急ぐぞ、出撃だ!」
「はい!」
 言うが早いか、発着場へと駆け出す二人。
 既に戦闘機編隊は、飛び立った後だった。
「整備は済んでいるか?」
 整備士に確認するナイジェル中尉。
「はい。燃料、弾薬とも満載です」
「結構!行くぞオーガス」
「あいよ」
 それぞれの分担に分かれて機体を動かす二人。

 艦橋。
「ザンジバル級が五隻接近中!」
 レーダー手の報告に、副長が応答する。
「相手にとって不足はありませんね。前回のように弾薬が尽きるということもないし」
「油断は禁物ですよ」
「はい!」
 戦闘が始まる。
 しかしながら、五隻くらいのザンジバル級では、機動戦艦ミネルバの敵ではなかった。
 とは言え、損傷をまったく受けないというわけにはいかなかった。
 未熟兵が多く、戦闘には不慣れだったからだ。辛うじてミネルバの機動力で何とか凌い
だという状況だった。
「もう一度ジャングルへ降りて艦体を隠しながら修理を急ぎましょう」
 修理には、パイロット候補生は訓練を終えたばかりで疲れているだろうと、その他の訓
練生が任務に当たることになった」
 艦橋で、その様子を見ながらベンソン中尉がため息をもらす。
「将来的にいつまで、このような状況が続くのでしょうか?」
「最終的には、ランドール提督の反攻作戦が開始されて、このトランターへの降下作戦に
至った段階ですね。それまで、我々は内地に留まって戦い続けるだけです」
「致し方ありませんね」
 反攻作戦がいつから始まり、いつ終わるのか、誰にも予想がつかない。ただ言えるのは
ランドール提督次第というだけである。
「それにしても、レイチェル・ウィング大佐殿は、どこで何をしてらっしゃるのでしょう
か?」
「秘密の海底基地があるそうなので、そこで各地に散らばっている仲間への指示・命令を
出しておられるのでしょう」
「海底基地ですか……。そのようなものをいつの間に築き上げたのですかね」
「メビウスは占領機甲部隊ですから、優秀な工作兵も揃っています。秘密裏に作業を進め
ることも可能でしょう」
「一度訪ねてみたいですね」
「そのうち実現するでしょう」
「期待しています」
ポチッとよろしく!

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2020年1月25日 (土)

銀河戦記/機動戦艦 第二部 第五章 アル・サフリエニ I

第五章 アル・サフリエニ

 アル・サフリエニ方面タルシエン要塞。
 中央コントロール室。
 要塞司令官のフランク・ガードナー少将は、銀河帝国から放映されているアレックス・
ランドールこと、アレクサンダー皇子の元帥号親授式及び宇宙艦隊司令長官就任式の模様
をいぶかしげに眺めていた。
 アナウンサーは、アレクサンダー皇子についての詳細を解説していた。行方不明になっ
てからのいきさつ、統制官としての軍部の改革、そして宇宙艦隊司令長官への抜擢。
 やがてアレックスが登場して、儀典がはじまった。
 大勢の参列者が立ち並ぶ大広間の中央、真紅の絨毯の敷かれた上を、正装して静かに歩
みを進めるアレックス。
 参列者の最前列には皇女たちも居並んでいる。
 エリザベスの待つ壇上前にたどり着くアレックス。
 ファンファーレが鳴り響き、摂政エリザベスが宣言する。
「これより大元帥号親授式を執り行う」
 壇上の袖から、紫のビロードで覆われた飾り盆に乗せられて、黄金の錫杖が運び込まれ
る。錫杖は権威の象徴であり、軍の最高官位を表わしているものである。

 そんな儀典の一部始終を、タルシエン要塞の一同はじっと目を凝らして見つめている。
「やっぱりただものじゃなかったですね。ランドール提督は」
 要塞駐留第八艦隊司令のリデル・マーカー准将が口を開いた。
「ただものじゃない?」
「皇家の血統だとされるエメラルド・アイですよ。またぞろ帝国のスパイ説という議論が
再燃しそうです。解放戦線の将兵達の士気に影響しなければよいのですがね」
「アナウンサーの解説を聞いただろう。幼少時に誘拐されて、その後の経緯は不明だが共
和国に拾われたのだそうだ。生まれは帝国かもしれないが、育ちは共和国だ。生みの親よ
り育ての親というじゃないか。提督は、純粋に共和国人と言ってもいいんじゃないか?」
「確かにそうかも知れませんが、人の感情というものは推し量れないものがあるものです。
仲間だと思っていた人間が、ある日突然皇帝という天上人という近寄りがたい存在となっ
た時、人は羨望や嫉妬を覚えないわけにはいかないのです」
 准将の危惧は当たっているといえた。
 要塞に駐留する艦隊内では、あちらこちらでアレックスの話題で盛り上がっていた。
「大元帥だってよ。えらく出世したもんだ」
 銀河帝国と共和国同盟とでは、軍人の階級については違いがある。
 同盟では、大将が最高の階級である。
「しかも、ゆくゆくは皇帝陛下さまだろ。身分が違いすぎじゃないか?」
「やっぱりあの噂は本当だったということかしら」
「帝国のスパイってやつか?」
「また蒸し返している。赤ちゃんの時に拾われた提督が、スパイ活動できるわけないじゃ
ない」
「そうそう、たまたま行方不明になっていた王子様を同盟軍が拾って何も知らないで育て
てきただけだ」
「だからってよお……。今日の今日まで、誰も気がつかなかったってのは変じゃないか。
時の王子様が行方不明になっているっていうのにさ」
「それは、王子が行方不明になったことは極秘にされたのよ。大切なお世継ぎが誘拐され
たなんて、帝国の沽券に関わるじゃない」
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2020年1月24日 (金)

冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・7


冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・7

勇者「ともかくサンブルグへ行ってみなくちゃ、先に進めないようだな」
王子「そうですね。被害状況を確認しましょう」
勇者「まずは装備確認だな」
武具「ここは武器と防具の店だ。どんな用だね?」
勇者「見せてもらおうか」
武具「はがねの剣や鎧がお薦めだね。この先、全体呪法を使うモンスターや、攻撃力・防
御力の高いマンドリルのような獣も多いからね」
勇者「なるほど……。とりあえず持ち合わせもないし、はがねの剣をくれ」
武具「はがねの剣だな。さっそく装備するかい?」
勇者「たのむ」
武具「せっかく買ったんだから、装備しなきゃなっ!
王子「わたしにはてつのやりをお願いします」
武具「また来てくれよ!」
勇者「よっしゃ!いざ、ゆかん!サンブルグ城へ!!」
ナレ「サンブルグ城は、サンペタを出て、西へそして南と下ったところにある。強力なモ
ンスターを打ち倒し、何とかサンブルグ城にたどり着く」
勇者「これは酷いな……。城というよりも廃墟だ」
王子「モンスターの吐いた毒沼に囲まれてます。足元にも気をつけなくては」
ナレ「慎重に城内に侵入する二人」
王子「中も酷いありさまです。これじゃ、一人の生存者もいないでしょう」
勇者「ん?なんか変なのが動いているぞ」
王子「炎かな、いや。あれは魂ですよ」
勇者「魂?」
王子「話しかけてみましょう」
勇者「できるのか?」
王子「一応、僧侶のスキル持ってますから」
ナレ「ゆらめく魂に話しかける王子」
王魂「わしはサンブルグ王のたましいじゃ。わが娘は呪いをかけられ犬にされたという。
おお くちおしや……」
王子「おうさま……。亡くなられていたんですね。姫や臣下を逃がすために、最後まで残
って勇敢に戦ってらしたのでしょう」
勇者「俺なら、いの一番に逃げ出すがな」
王子「そういえば……。サンペタに人懐こい犬がいましたね。もしかしたら……」
勇者「犬にされたお姫様だったとか?」
王子「ありえます」
勇者「だがよ。どうやって呪いを解くんだ?」
王子「もう少し、ここで聞き込みをしましょう」
勇者「といっても皆、死んで魂になっているようだがな。おい、おまえ」
兵魂「うわ~ハーゴンだ!ハーゴンの軍団が攻めて来た!助けてくれー!」
勇者「他力本願な奴は死んで当然だな。そこのおまえ」
兵魂「ここから東の地 4つの橋が見えるところに 小さな沼地があるという。そこに
ラーのかがみが……。これを誰かに伝えるまで 私は死にきれぬのだ……」
王子「聞きましたか?」
勇者「ラーのかがみ、か……」
王子「重要なアイテムのようですね」
勇者「他に魂は見当たらないようだ。ともかく、ここを脱出しよう。モンスター強すぎ」
王子「そうですね。ひとまずサンペタに戻りましょう」
勇者「うん、セーブもしておこうぜ」
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2020年1月23日 (木)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-4

あっと! ヴィーナス!!第二部
第二章 part-4

 その頃。
 姿を消したエンジェルは、ディアナの特命を受けて、天空城の内部を探索していた。
 ラピュタが飛行石で浮遊していたように、この天空城も何らかの機関が動いているはず
だ。
 その動力源の位置を確かめるためである。
 さすがに神のアポロンでも、この巨大な城を神通力で動かすことはできないだろう。
「あーん。広すぎて、どこにあるかわかんないよー」
 ただでさえ、小さな身体である。
 飛翔能力にも限界がある。
「疲れたあ……ちょっと休憩」
 といいながら、小さな突起の上にちょこんと座って羽を休めた。
 折りしもその真下の通路を、衛兵が会話しながら通り過ぎる。
「しかし、すごい機関だよなあ」
「ああ、超伝導磁気浮上システムなんて、誰が考えたんだろね」
「この天空城、実は人間が作った戦争のための要塞だったらしい」
「それをアポロン様が奪い取ったんだよな」
 などと言いながら。
 エンジェルはいいこと聞いたと思った。
 人間が作ったものなら、機関を動かしたり止めたりするマニュアルがあるはずだ。
 気を取り直して、再び飛び出したエンジェル。
 やがて動力機関の心臓部であるコントロールルームにたどり着く。
 ほとんど自動で動いているらしく、人も神子も見当たらない。
 マニュアルは、当然この近くにあるはずだ。
 室内を飛び回って探し回るエンジェル。
「あった!これね」
 本棚に納められているマニュアルらしき本を引き出しに掛かる。
 人間にとって普通の本でも、小さなエンジェルには身が重い。
「ぐぬうう。何のこれしき」
 目一杯羽ばたいて、羽ばたいて、羽ばたいて。
 ドスン!
 と、マニュアルが床に落ちた。
 うまい具合に、閲覧できように上向きで開いた状態で落ちた。
「やったあ!」
 早速マニュアルに飛びつく。
「さてと、動力を止める方法は……」
 人間が書いた文字や図形に困惑しながらも解読を進めてゆく。
 エンジェルとて神の子だ。
 人間に読めて、エンジェルに読めないものはない。
 ページを捲りながら、動力停止の方法を読み解く。
「あった!これだわ」
 じっくりと読んでから、制御盤に向かう。
「ええと……」
 制御盤のボタンを確認して、
「ピッポッパッ、ポーン」
 マニュアル通りに押してゆく。
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2020年1月22日 (水)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-3


あっと! ヴィーナス!!第二部(25)

第二章 part-3

 

 その頃、神殿に密かに侵入したディアナ達。
「本当にここに連れ込まれたのか?」
 疑心暗鬼の弘美。
「それは間違いありましぇん!」
 弘美の周りを飛び交いながら、先に潜入していたエンジェルが断言する。
「あっ、そう……」
 神殿の冷たい床の上を、あまり音を立てないように慎重に歩を進める一同。
「なあ、とうにアポロンに気づかれてるんじゃないの?」
「かもな」
「なら、こんな忍び足は無駄じゃないの?」
「衛兵もいるからな。少しでも争いは避けたい」
 突き進んでいくと、目の前が大きく広がった。
 玉座の間に到着したようだ。
 アポロンは、どっしりと構えて玉座に鎮座していた。
「やあ、待っていたよ。ディアナ」
 指名されたディアナが、
「やはり、気が付いてたのね」
 一歩前に進んだ。
「その娘が本命だね」
 ディアナの後ろに隠れるようにしていた弘美を見て、指摘するアポロン。
「ほう、さすがゼウスの目に適う顔つきをしているね」
 穴が開くほど弘美を見つめて品定めしている。
「ゼウス?」
「あれ、知らないの?君は、ゼウスのお気に入り娘リスト【ファイルーZ】の一人なんだ
から。ZはゼウスのZというのは判るよね」
 ファイルーZという言葉を聞いて、首を傾げる弘美。
「それは、何でしょうか?」
 その言葉は、ヴィーナスもディアナも説明していなかった。
 というよりも、秘密にしていたのだから。
 読者の皆さんも、気づいていた方、気づいていなかった方いるでしょうが……。
「まあ、まあ。その話は後でゆっくりと話しましょう。今は、目の前の愛ちゃんを助ける
ことが先決です」
 ヴィーナスが話題をそらす。
「そうだねえ。その娘が、わたしの元にくるなら、この娘は解放しましょう」
 交換条件を示すアポロン。
 当然承諾できるような内容ではない。
「お断りします!」
 きっぱりと答える。
 うろたえる女神。
「そんな、いきなり断るのは……」
「そうそう、できるだけ交渉を伸ばして、時間を稼がなくちゃ」
 弘美に耳打ちする。
「時間稼ぎって、何……? そういえば、エンジェルの姿が見えないようだが」
「しーっ!」
 人差し指を唇に当てて、口止めする。
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2020年1月21日 (火)

アッと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-2

あっと! ヴィーナス!!第二部
第二章 part-2

 天空城の中にある神殿。
 玉座に座り神子を侍らせて、酒をあおっているアポロがいる。
 そこへ、愛を誘拐した黒服が入場する。
「ご命令のものをお連れしました」
 と抱えていた愛を、慎重に床に降ろした。
「ご苦労だった。下がってよいぞ」
「ははっ」
 静かに退場する黒服。
「ご尊顔を拝見するか……」
 アポロが右手を前にかざすと、愛の身体が浮き上がって、アポロの方へ。
 そしてふわりと、その膝の上に乗った。
「さて、どんな顔をしているかな」
 愛の顎をしゃくりあげるようにして、その顔を眺めるアポロ。
「ほほう。なかなか可愛い顔立ちをしておるな。気に入ったぞ」
 と、ほくそ笑んだその時。
 神殿にテレポートしてきた者がいた。
 ゼウスの妻のヘラだった。
 アポロの膝の上の愛を見て、
「どうやら無事に成し遂げたようだね」
 安堵の表情をしている。
「約束通り、わたしの女にするよ。いいね」
「好きにするが良い」
 念のためにと近づいて、顔を確認するヘラ。
「違う!この子じゃない。人違いだ!」
 驚いた表情のヘラ。
「どうして?写真の女の子だろ?」
 例の写真と見比べている。
「その女の子の後ろにいるのが本物だよ」
「はん?後ろの女の子?」
「そうだ!」
「いい加減な写真を渡すなよ。後ろなら後ろとちゃんと言えよ」
「それは悪かった。とにかく、もう一度やってくれ」
「やってやらないことはないが……。この娘は頂いておく」
「勝手にしろ!」
 というと、いずこへともなく消え去るヘラ。
「いい加減だから、ゼウスにも飽きられるんだよ」
 アポロが呟いた途端、
「今、何か言ったか?」
 忽然と、再び現れたヘラ。
 聞き耳を立てていたのか?
「いや、何も。空耳だろう」
 陰口に戸は立てられぬ、という諺どおりである。
「そうか……では、頼んだぞ」
 念押しして再び消え去る。

「黒服を呼べ!」
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2020年1月20日 (月)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-1

あっと! ヴィーナス!!第二部
第二章 part-1

「アポロは無類の女好きなのは、君も知っているだろう」
「まあな」

 アポロと関係した女性は、すべて悲劇的な運命をたどることになる。
 プロローブでも紹介したが、改めて再掲しよう。
  さて諸君もご存じの通り、このアポロはゼウスの最初の浮気の相手とされる
  レトが産んだ双子の一人で、姉(妹?)がディアナである。
  なぜか彼が恋する相手は悲劇を迎える。
  月桂樹となったダフネ。
  ヒヤシンスの花にまつわる美少年ヒュアキントス。
  他にもシビュレーやカッサンドラーなどなど。
  それがゆえに常に新しい恋を求めてさまよう。
  なお、アポロとはディアナ(ダイアナ)と同じく英語名。

「いずれ、手下の黒服である使徒が、人違いで愛を誘拐した事に気づくだろう。改めて本
命の君に目がいくことになる。がしかし、その君が男言葉に男的態度をしていたらどうな
るかな?」
「それがどうした」
「とりあえず本命の君には失望して、煮るなり焼くなりした後で、愛を手篭めにするのは
判りきったことじゃないか。可愛い女の子には目が無いからね。それでいいのかい? 弘
美」
「そ、それは……」
 言葉に詰まる弘美。
「愛を助けるためには、君がアポロの目に留まらなければならない。しかも飛び切りの
可愛い女の子としてだ。間違いに気づいて愛を解放するかも知れない」
「俺はどうなるんだよ」
 と言った途端。
「ちっちっ!(と人差し指を目の前で横に振りながら)俺、じゃない。あたしと言いなさ
い」
 ヴィーナスが注意した。
「あ、あたし……はどうなる……の?」
 しどろもどろに言い直す弘美。
「そうそう、その調子。声が可愛いんだからね。態度も女の子らしくすれば完璧よ」
 しょげかえる弘美に、思い通りに事が進んで上機嫌のヴィーナス。
「さあ、雲の中に突入するぞ!しっかり掴まっていろよ」
 ディアナが手綱を操りながら、雲塊に突入する体勢を取る。
 弘美とヴィーナスは、振り落とされないように、戦車の縁にしっかりと掴まる。
「突入する!」
 大声で合図をすると、雲塊の中へと突入する。
 凄まじい突風が襲い、戦車を激しく揺さぶる。
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2020年1月19日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第五章 ターラント基地攻略戦 XI

 機動戦艦ミネルバ/第五章 ターラント基地攻略戦
XI

 壮烈なるターラント基地攻略戦が開始された。

 ミネルバ。
 艦内の至るところで、警報が鳴り響き戦闘態勢が発令された。
「艦載機及びモビルスーツ隊は発進準備せよ」
 フランソワの命令を伝えるオペレーターの声がこだまする。
 格納庫から戦闘機が次々と引き出されて、発着艦デッキへと移動されてゆく。
 モビルスーツへと駆け込むパイロット達。
 サブリナ中尉とハイネ上級曹長、ナイジェル中尉とオーガス曹長も複座式の新型に乗り込む。

 搾取したモビルスーツも全機投入される。
「アイク、ジャン、両名とも搭乗完了しました」
「出撃させてください」
「了解しました」
 今回の作戦は総力戦である。
 モビルスーツ及びパイロットを遊ばせておくわけにはいかないのである。
 作戦に参加する艦艇も、ミネルバ以下の空中戦艦、水上艦艇、陸上部隊と動員できるものはすべて参加していた。

「あの新人、大丈夫でしょうか?」
 副長のリチャード・ベンソン中尉が心配する。
「アイクはサブリナ、ジャンはナイジェルに任せてあります。何とか扱ってくれるでしょう」
「二人の競争意欲が邪魔をしなければと思うのですがね」
 フランソワとて考えでもないが、それを口にすることは士気の低下を招くことも良く判っていた。
「良いほうに考えましょうよ。オニール准将とカインズ准将もまた競争心によって、絶大な功績を挙げたのも事実なのですから」
「確かにそうではあるのですが……」
 煮え切らない副長であった。
 オニールとカインズ両名は、有能であるからこそ競争心は向上心となりえた。
 アイクとジャンは未熟で能力は未知数である。が、未知数であるからこそ将来もまた有望であるかも知れないのだ。

 激烈なる戦闘が繰り広げられる中、アイクとジャンも頑張っていた。
 双方ともパイロット役として、操縦桿を握っている。
「右後方に敵機!」
 機関士でありナビゲーターでもあるサブリナ中尉が警告する。
「了解!」
 振り向きざまに、ビームサーベルを抜いて切りかかる。
「上手いぞ。その調子だ」
 サブリナの指揮・指導の元、着々と技術を向上させてゆくアイク。
 ジャンとナイジェル中尉の方も同様であった。

「アーレスを発射します。軸線上の機体は待避せよ」
 ミネルバからの指令に、サブリナ機及びナイジェル機、その他多くの機体が退避する。
 その数分後にミネルバから強力な光が放たれターラント基地を破壊した。
 その凄まじさに驚愕した基地司令官は白旗を揚げて降参。ターラント基地はミネルバの手に落ちた。
「作戦終了!これより、この地に留まって撤収指令が出るまで確保する」


 メビウス海底基地司令部。
 ターラント基地攻略成功の報告が届いていた。
「着々と任務をこなしているようですね」
 副官が感心していた。
「まあ、ランドール提督の眼鏡にかなった人物ですからね。それなりの力量は持っている
はずです」
 レイチェルの言葉には確たるものがあるようだ。
「ここいらで休息を与えてはどうでしょうか?」
 副官の提案にレイチェル・ウィング大佐が答える。
「それはやまやまなのですが、総督軍もミネルバを追い回しているみたいですからね。そ
れにミネルバ級二番艦の【サーフェイス】の完成の間近なようですから」
「ミネルバ級ですか……」
「このミネルバ級と合わせて三番艦まで建造予定でした。いずれもメビウス部隊の所属に
なるはずでしたが、占領の方が早過ぎたのです」
「連邦軍のスティール・メイスン提督の作戦が作戦が素晴らしかったからですね」
「三百万隻もの艦艇を炎で焼き尽くしてね」
「あれには参りましたよ。お陰で共和国将兵は腰を抜かしてしまいました」
「しかし、サーフェイスが完成し実戦配備されると、今後の活動に支障が出ますね」
 これまでの勝ち続けの戦いは、最新鋭空中戦艦ミネルバがあってこそのものだった。総
督軍がミネルバ級をもって対戦を挑んできたら勝ち目は遠のく。
「サーフェイスが実戦投入される前に、トランター解放作戦を成功させなけらばならない
ようですね」
 という副官のため息とも思える言葉に、
「そのためにもモビルスーツ隊の教練度を上げる必要があります」
 レイチェルが作戦の方向性を唱える。
「訓練ですか……例の三人組も?」
「もちろんです。パイロット候補生は一人でも多い方がよろしい」
「分かりました。ミネルバに伝えます」
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2020年1月18日 (土)

銀河戦記/機動戦艦 第二部 第四章 皇位継承の証 XV

第四章 皇位継承の証
                 XV

 新たなる情報がもたらされた。
 バーナード星系連邦において、クーデターが発生したというものであった。
 一部の高級将校が決起して、軍統帥本部などの軍事施設を占拠して高級官僚を拘禁し、
国会議事堂、中央銀行、放送局など、軍事と政治経済の重要施設を手中に収めたのである。
 総督軍の帝国侵略開始と時を同じくして決起したのは、総督軍からの鎮圧部隊の派遣が
困難な情勢となったことを見越してのことであろう。
「これで連邦側からの侵略の可能性は当分ないだろう。心置きなく総督軍と対峙する事が
できる」
 軍事クーデターが成功したとはいえ、政治経済の中枢を押さえただけで、これから国家
を立て直し、軍や艦隊を動かせるようになるにはまだまだ先の話となる。
 マーガレットの第二皇女艦隊とジュリエッタの第三皇女艦隊とを併合し、これにラン
ドール旗艦艦隊を合流させて、総督軍に対する迎撃艦隊とした。他の艦隊を加えなかった
のは、戦闘の経験もなく脆弱すぎて被害ばかりが増えると判断したからだ。また解放戦線
に援軍を求めるにも遠すぎて無理がある。総督軍にはまだ二百万隻もの艦艇が残されてい
る。それに対処するためにも解放戦線は動かせなかった。
 陣容は整ったものの、すぐには出撃はできなかった。
 国境を越えての大遠征となるために、補給を確保するための補給艦隊の編成と、燃料・
弾薬・食料などの積み込みだけで三日を要した。
 それらの準備が整うまでの時間を使って、アレックスの大元帥号親授式と宇宙艦隊司令
長官の就任式が執り行われることとなった。

 宮殿謁見の間が華やかな式典の会場となった。
 普段は謁見の間への参列を許されていない荘園領主や城主、そして下級の将軍達が顔を
揃えていた。祝いの席をより多くの人々に見届けてもらおうという配慮だった。
「アレクサンダー第一皇子、ご入来!」
 重厚な扉が開かれ、儀礼用の軍服に身を包んだアレックスがゆっくりと緋色の絨毯の上
を歩んでいく。宮廷楽団がおごそかな楽曲を奏でている。やがて壇上の手前で立ち止まる
アレックス。
 参列者の最前列には皇女たちも居並んでいる。
 大僧正の待つ壇上前にたどり着くアレックス。
 ファンファーレが鳴り響き、摂政エリザベスが宣言する。
「これより大元帥号親授式を執り行う」
 壇上の袖から、紫のビロードで覆われた飾り盆に乗せられて、黄金の錫杖が女官によっ
て運び込まれる。錫杖は権威の象徴であり、軍の最高官位を表わしているものである。
「銀河帝国第一皇子アレクサンダーよ。このたび銀河帝国は、汝に大元帥号の称号を与え、
宇宙艦隊司令長官に任命する。銀河帝国摂政エリザベス」
 別の女官が勲章を乗せた運び盆を持って出てくる。エリザベスは、たすき掛けの勲章を
受け取ってアレックスの肩に掛け、胸にも一つ勲章を取り付けた。そして豪華な織物でで
きたマントを羽織らせて、黄金色に輝く錫杖を手渡した。
 アレックスが与えられた錫杖を高く掲げると、再びファンファーレが鳴り響き、
「アレクサンダー大元帥閣下万歳!」
「宇宙艦隊司令長官万歳!」
 というシュプレヒコールの大合唱が湧き上がった。
 この儀式の一部始終は国際放映され、連邦や共和国へも流されたのである。

第四章 了
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2020年1月17日 (金)

冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・6


冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・6

 

ナレ「毒モンスターやギラ使いの『まじゅつし』を倒しながら、サンペタへやって来たの
だった」
勇者「まずは、セーブだな。王様は……いるはずないか」
王子「とにかく情報集しましょう。セーブの仕方も判るでしょう」
勇者「おい、犬!セーブ場所はどこだ?」
王子「犬が、知るわけないでしょ。そもそも喋らないし」
勇者「だがよ、後ろにくっついて、一緒に着いてくるぜ」
王子「懐いてますね」
勇者「お!町の隅っこに誰か佇んでいるぞ。こういう奴に限って、重要なヒントをくれる
はずだ」
兵士「じ、じぶんがはずかしい!私はあまりのおそろしさに、城から逃げ出したのです。
今頃、サンブルグの城は……。ああ、王女さまっ」
勇者「なんだ、脱走兵か」
王子「それを言っちゃ可哀相ですよ。だれだって逃げ出しているんですから」
勇者「おい、そこの女」
女 「まあ、あなたはもしや勇者さまではっ!?私はむかしルーラシア城におつかえしていた者です。こんな所で勇者さまにお会いできるなんて。ああ、夢のようですわ!」
勇者「おおそうか。じゃあ、セックスしようぜ」
女 「まあ、あなたはもしや……以下略」
勇者「つまらんな……所詮NPCキャラか、ふん!」
王子「決まり文句ですからね」
勇者「宿屋にいる奴、何か情報持ってるかな。おい、そこの男」
男 「まったくぶっそうな世の中になったもんですなあ。この前もサマートリアの近くでスリにあいましてね。幸い犯人は見つかりましたが。まあ、今頃は牢屋の中でしょうね。わっはっは。」
勇者「ふむ、そういえば、地下牢にいたな。『ろうやの鍵』欲しがってるやつ」
王子「だめですよ。悪人の言うこと聞いちゃ」
勇者「聞くだけなら。大丈夫だろ?」
王子「そうですかね……何かありそうですが」
勇者「お、壁と壁の隙間に縮こまっているじじいは?」
王子「立ちションしているのでは……」
勇者「よし、また話しかけてみよう。リアクションが面白そうだ」
王子「面白がらないでくださいよ」
勇者「いいから。おい、そこのじじい」
翁 「なんと ここでも そなたの旅を 冒険の書に記録することが できるのじゃ。便
利な世の中になったものよのう。勇者が次のレベル……そなたの これまでの旅を 冒険
の書に記録してよいな?」
勇者「おお!もちろんだとも」
翁 「たしかに 書きとめておいたぞ!まだ休まずに冒険を続けるつもりかっ?」
勇者「いいえ、と答えたらどうなる?」
翁 「では ゆっくり休むがよい。王子よ!そなたが もどるのを待っておるぞ」
ナレ「そしておなじみの音楽と共に、タイトルメニューに戻るのであった」
勇者「冒険を再開して、冒険の書をポチッとな。お!始まったぞ」
王子「何やってるんですか。冒険を中断してどうするんですか?」
勇者「悪い、悪い。ちょっとためしにやってみたかったんだ」
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2020年1月16日 (木)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-10

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-10

「呼んだか?」
 突如として、天駆ける戦車にヴィーナスが姿を現した。
「危ない!」
 重量が偏るように増えたので、戦車が揺れて落ちそうになる。
 ディアナが天馬の手綱を操作して、体勢を立て直した。
「危ないじゃないか、ヴィーナス」
「わたしを呼んだだろう?」
「呼んでねえよ」
「いや、確かにわたしの名を呼ぶ声が聞こえたぞ」
「相変わらず地獄耳だな。おまえは」
「神なのに地獄耳とはこれいかに、だな」
「確かに呼んではいないが、名前が挙がったのは確かだ」
「酔っ払って寝込んでたんじゃないのかよ」
「人の口に戸は立てられない、っていう諺があるだろう。たとえ眠っていても耳に入れば
目が覚める」
 呆れ返る弘美とディアナ。
「来てしまったのは仕方が無い。邪魔だけはするなよ」
「判っている。もちろん事情はすべて理解している」
「ならいい」
 改めて、ラピュタに向けて帆を上げる一行だった。
「天空城な。解説が間違えるなよ」
 あ、すいません……天空城です。
「どっちも同じだろうが」
 天駆ける戦車は、天空城に向けて一直線に進む。
「ところで、弘美」
「なんだよ」
「女の子らしくしろと、いつも言っているだろう。なんだ、その男の言葉は」
「地の言葉で悪いか」
「悪いわい。その女の子の格好で、喋る言葉じゃない」
「女の子?」
 改めて自分の姿を見る弘美。
 学校帰りの女子校生の制服姿だった。
 学校から直接ファミレスに向かい、着替えてウエイトレスの仕事をして、終了後に再び
制服に着替えて、家に帰る途中に誘拐事件に遭遇したのだった。
 大慌てでヴィーナスの元に駆けつけたものの泥酔状態、困ったところにディアナが登場
して、その格好のまま追撃戦に参加していたのである。
「その可愛い女子校生の制服姿が似合う君なら、やはり可愛い声で優しく喋るのが本筋と
いうものだろう」
「勝手に女の子に変えておいて、よく言うよ。俺は男なんだぜ」
「違うぞ!」
 と、鼻同士がくっつくぐらいに顔を近づけて警告するヴィーナス。
「そもそも、君は女の子として生まれるはずだったんだ。運命管理局のちょっとした手違
いで男の子になってしまったのだ」
「そこは違うな。こいつの酒癖が原因だよ。プロローグを読めば判る」
 ヴィーナスを指差しながらディアナが横槍を入れる。
「こほん!」
 咳払いをして話を続けるヴィーナス。
「と、とにかく。弘美、あなたは女の子として生きるしかないのです。あなたが一人前の
女の子として生まれ変わるためなら、このヴィーナス全精力を賭けるぞ」
「ことわる!」
 拒絶する弘美。
 これまで男として生きてきたのだ、神の手違いだとしても、今更として女の子にはなれ
ないであろう。
 ことあるごとに男に戻せと言うしかない弘美だった。
「さてと……だ」
 ディアナが話題を変えるように話し出した。
「アポロの前に出ても、その男の子言葉でいる気かな?」
「アポロ?」
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2020年1月15日 (水)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-9

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-9

 やがてファミレスから二人の後を追うように黒服が出てくる。
「あ、あいつだ」
 飛び出そうとするのを、止めるディアナ。
「なぜ止める!」
「言っているだろ。すでに起きてしまった過去に干渉するなと」
「だからって黙って見ているのかよ」
「そうだ。おまえが出て行けば、おまえが二人になるってことだ。これが判るか?」
「う……」
 図星をつかれて、しどろもどろになる弘美。
 そうこうするうちに、黒服が愛をさらって行く。
「よし、いいだろ」
 というと、手のひらを上向きにして何やら呟くと、その上に小さな天使が現れた。
「あの、黒服が抱えている女の子を追いなさい」
「はあい」
 かわいい声で返事をすると、ぱたぱたと羽ばたいて黒服を追い始めた。
「エンジェルに尾行させるのか?」
「ああ。あの子は、黒服には見えないからな」
「なるほど」
 やがて黒服も小さな天使も空の彼方に消え去った。
「で、これからどうするんだ?」
「なあに大丈夫さ。これがある」
 と、スマートフォンを取り出した。
「スマホか?どこに隠し持ってたんだよ」
「秘密のポケットがあるのさ」
「ドラエモンかよ」
「これで天使と連絡を取れる」
「神でも電話するのか?」
「神を馬鹿にするなよ。天上界にはパソコンもインターネット環境も揃っているぞ」
「なんだよ、それ」
「エンジェルもスマホ持ってるのか?」
「彼女には探偵バッチで通話できるぞ」
「少年探偵コナンかよ」
「ついでに天使の位置情報を表示することができるぞ、ほら」
 と見せ付けるスマホの画面には、赤い点滅が表示され動いていた。
「眼鏡レーダーじゃないんだな」
「そこまではパクレないわよ」
 スマホ画面を見つめる弘美とディアナ。
 と、突然スマホから音声が、
「あーあー。本日は晴天なり、本日は晴天なり」
 聞こえた。
「黎明期のラジオ放送か?」
「彼女からの通信だよ」
「あ、そう」
「感度良好だよ。何かあったか?」
 スマホに話しかけると、答えが返ってくる。
「今、黒服が大きな雲の塊の中に入っていきます」
「追えるか?」
「任せてください」
 通信が途絶えた。
「大きな雲の塊ねえ……」
 と空を仰ぐ弘美。
 すでに黒服と天使の姿は見えない。
 真っ青な空に雲一つ見えない快晴。
 なのだが、場違いとも思える巨大な雲塊がゆっくりと流れていた。
「入道雲じゃないな。どうやら、あの雲みたいだ」
 ディアナの言葉を受けて、
「もしかしたらラピュタか?中に城があってさ」
 弘美が推測する。
「うむ、そうかもな。アポロンの居城があるのかも知れない」
 意外にも同調するディアナ。
「どうやって、空の上の雲に行く?」
「大丈夫さ。これがある」
 と突然姿を現したのは、ディアナの愛機。
天駆けるあまかける戦車だよ」
 古代ギリシャで使われていた、馬が戦車を引くアレだが、ソレは空を飛べる天馬が繋いであった。
「ソレで近づいたら、アポロンに気づかれないか?」
「なあに、アポロンは女以外は興味がないし、全知全能のゼウスの息子だ。たかが一般職の神相手には目もくれないさ」
「一般職ってなんだよ」
「知らないのか?」
「知るかよ」
「アポロンから見れば、わたしはただの時間管理局の局長だし、ヴィーナスは運命管理局の局長だ」
「なるほど。ゼウスが国王とするならば、アポロンは大臣で、ヴィーナス達は各省の政務次官というところか」
「そうなるな」
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2020年1月14日 (火)

あっと!ヴィーナス!第二部 第一章 part-8


あっと! ヴィーナス!!第二部

第一章 part-8

 

「で、どうやってアポロの元へ行くんだ?」
「わからん」
「わからんって……なんでやねん」
「ああ、アポロは居所をちょこちょこ変えるし、隠れ家なんかもあるからね」
「じゃあ、どうやって探すんだよ」
「愛を連れていったのは使徒だ。そいつを追いかければ判る」
「何言ってるの。そいつはとっくに空の彼方だ」
「わたしを誰だと思っている」
「天空の女神だろ」
「で、能力を知っているか?」
「天空を駆け巡り、時を操る……って、おいまさか!」
「そのまさかよ。愛が誘拐されるその時限に遡り、使徒の後を隠れて追いかけ、アポロ
の居場所へ案内してもらうのさ」
「なるほどな」

 

「では行くぞ」
「おうともよ」
 ディアナが手を前に突き出すようにして、
「ゲート、オープン!」
 と言うと、目の前に時の扉が現れた。
 扉には【過去への扉】という札が掛かっていた。
「なんだよ、この札は」
「君にも理解できるようにしたつもりだが」
「そうか。では、ノックしてから入るのか?」
「なぜそうする?」
「部屋に入るときは扉をノックするのが礼儀だろう」
「その必要は無い」
 というとディアナは扉のノブを回した。
 目の前には、どこへ続いているか判らぬ暗黒の闇が広がっていた。
「着いて来い!」
 扉の中へと入ってゆくディアナに続いて、弘美も恐る恐る入る。

 

 暗い扉を抜けた先は雪国、ではなくて弘美が働いているファミレスの前だった。
「なんだファミレスじゃないか」
 行き交う人々の中に、見知った人物がいたので声を掛けようとすると、
「待ちなさい。ここは過去の世界だ、干渉することは許されない」
「未来が変わるとか、パラレルワールドに突入するとかか?」
「それもあるが、アポロに気づかれるかも知れぬ」
「触らぬ神に祟りなしか」
「まあ、そういうことだ。そもそも我々の姿はこの世界の人々には見えない」
「なんだ」
 ファミレスから弘美と愛が楽しそうに出てくる。
「ふうっ!疲れたあ」
 大きく伸びをする愛。
「それにしても……あの人、なんだろうね」
「例の客?まだ食べているのかな」
「ううん……どうかな。もう食べ終わってるんじゃない?」
 談笑しながら帰り道を歩く二人。
「同じこと喋ってるな」
「当たり前だろ」
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2020年1月13日 (月)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-7


あっと! ヴィーナス!!第二部

第一章 part-7

 

「とにもかくにも、お困りのようだな」
「ああ、愛ちゃんが誘拐された」
「取り戻したいか?」
「もちろんだ。出来るのか?」
「出来ないこともない」
「どういうことだ?」
「愛を誘拐したのが、アポロの使徒だからな」
「アポロって、すけべったらしで、とっかえひっかえ女を漁るという奴か?」
「言いたい放題だな。まあ、そのアポロだ」
「で、そのアポロが愛ちゃんを拐ったのはなぜ?」
「ふむ、ちょっとした人違いだったのだがな」
「人違い?」
「これを見よ」
 と差し出したのは、一枚の写真だった。
 そこには学校の校門を出てくる二人の少女。
 愛と少し遅れて自分の姿が映っていた。
「愛ちゃんだ!隠し撮りか?」
「そのようだな。これと同じものがアポロの手にある」
「つまりこの写真に映っている愛ちゃんを誘拐したと?」
「そのようなんだが、実は後ろにいる君が本当の標的だったんだ」
「僕を誘拐するつもりが、人違いで愛ちゃんを拐ったということか?」
「そういうことだな」
「しかし、なんで僕を?」
「ああ、それは極秘事項なので言えないんだ」
「じれったいなあ!愛ちゃんを助け出せるのか、助けられないのかはっきりしろよ」
「助けたいのか?」
「もちろんだよ」
「人違いだと言ったよな」
「ああ」
「愛君の代わりに君がアポロの元へ行けば良い。早い話が、人質交換というわけだ」
「一つ聞いていいか?」
「なんだ」
「僕がアポロの元へ行ったらどうなる?」
「行けばわかる」
「それでは答えになっていないぞ」
「神は気まぐれなものさ。少なくとも命を奪われることはないぞ」
「わかったぞ!女たらしで有名なアポロのことだ。そういうことだな!?」
「そういうことにしておこうか」
「僕が行くと思うか?」
「なれば愛とやらがどうなるか判らんぞ。今頃衣服を引っ剥がされて、乳房をもろ出しに
弄ばれているかもな」
「ううっ。卑怯な」
「行くの?行かないの?」
「わかったよ。行けばいいんだろ!」
「素直でよろしい」
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2020年1月12日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第五章 ターラント基地攻略戦 X

 機動戦艦ミネルバ/第五章 ターラント基地攻略戦

「総員帰還しました」
「司令本部より暗号通信入電!」
「解読してください」
「ただ今解読中です」
 やがて解読されて報告される。

『ターラント基地を攻略し、撤退命令あるまで確保せよ』

 その指令に、げんなりという表情をする副官。
「まともな休息もありませんね。次から次へと命令が届けられます」
「仕方ありません、我々の任務は陽動です。総督軍の只中にいるのですから。それより回
収したモビルスーツを使って、パイロット候補生の訓練を始めてください」
「了解しました」
 というわけで、パイロット候補生の訓練が開始された。
 発着格納庫で、ナイジェル中尉が、候補生を前に訓示を垂れる。
「パイロットになるための訓練はきびしい。志願した君達には十分な訓練を積んで、立派
な戦士となってもらいたい。幸いにも搾取したモビルスーツを持って、訓練の機会が増え
たのは喜ばしいことだ。今から読み上げる者から順に機体に搭乗しろ。呼ばれなかった者
は次の順番とするが、訓練を見学しつつ仲間の動きを観察して研究しろ」
 名前を順番に読み上げるナイジェル中尉。


 その頃、病室に入れられている三人。
 サブリナ中尉が面会に来ていたのはアイクとジャンのいる病室。
 サリーは、まだ回復せず別室となっていた。
 サブリナを見つけて、中の一人が駆け寄ってきた。
「いい加減に出してくれよ!」
 隔てられた窓ガラス越しに懇願するのはアイクだった。
「いいだろう。三日間の休息を与えた後に、仲間と共に訓練をはじめる」
「訓練か……それは、いやだなあ」
「何を言っておるか。強制召集されて軍に入ったんじゃなくて、志願したんだろ?」
「まさか、トリスタニア共和国が滅亡するとは、思ってもみなかったもんでね。後方部隊
でのほほんとしていながら、給料を貰って楽しみたかったよ」
 呆れ返るサブリナ中尉。
「甘ったれたことを言うんじゃない。艦長は君達の将来を、いつも考えて戦っているの
だ」
「そういえば、まだ艦長さんにはお目見えしていないな」
「そのうちに会えるさ。ともかく三日間の休息だ。十分に身体を養生しておけ」
「へいへい。ところでサリーはどうしている。見えないが……」
「まだ集中治療室だ。起き上がれるまでには回復しているがな」
「それは良かった」
 突然、サイレンが鳴り響いた。
「なんだ?」
「ターラント基地の攻略戦が始まるのさ」
「ターラントって結構大きな基地じゃないか。大丈夫なのか?」
「五隻の応援部隊が駆けつけている。このこの機動戦艦ミネルバと合わせて、艦長なら何
とかするさ」
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2020年1月11日 (土)

銀河戦記/機動戦艦 第二部 第四章 皇位継承の証 XⅣ

第四章 皇位継承の証
                 XⅣ

 その時一人の従者が駆け込んできた。
「大変です。共和国同盟との国境を守るマリアンヌ皇女さまの艦隊が攻撃を受けていま
す」
「なんですって!」
 共和国同盟との国境にあるエセックス候国の守備艦隊として、ジュリエッタの第三艦隊
と、マリアンヌの第六艦隊が交代で任務に当たっていた。現在はマリアンヌが、その旗艦
マジェスティックにて指揮を執っていたのである。
 一同は驚愕し、アレックスを見つめた。
「連邦の先遣隊でしょう。本隊が進軍する前に偵察をかねて先遣隊を出すことはありえま
す。それがたまたま皇女艦隊と鉢合わせてして、交戦状態に入ったのでしょう」
「エリザベスさま。早速、救援を向かわせましょう」
 しかし、アレックスはそれを制止した。
「言ったはずです。国境を越えられてから行動を起こしても遅いとね。現場まで何時間か
かるとお思いですか。救援隊が到着した時には、とっくに全滅しています」
「しかし、マリアンヌ皇女さまが襲われているのを、黙って手をこまねいているわけには
いかない」
「敵が攻め寄せて来ているというのに、体裁を気にしてばかりで行動に移さなかったあな
た方の責任でしょう。私の忠告を無視せずに、あの時点で艦隊を派遣していれば十分間に
合ったのです」
「そ、それは……」
 パトリシアが入室してきた。
「提督……」
「どうだった?」
「はい。マリアンヌ皇女さまは、ご無事です」
 おお!
 という感嘆の声と、何があったのかという疑問の声が交錯した。
「国境付近に待機させておいた提督の配下の者が救援に間に合ったようです。旗艦マジェ
スティックは大破するも、マリアンヌ皇女さまはかすり傷一つなくノームにご移乗なされ
てご安泰です」

「皆の者よ。良く聞きなさい」
 それまで静かに聞き役にあまんじていたエリザベスが口を開いた。
「摂政の権限としての決定を言い渡します」
 と言い出して、皆の様子を伺いながら言葉を続けていく。
「共和国総督軍が、帝国への侵略のために艦隊を差し向けたことは、もはや疑いのない事
実です。不可侵にして絶対的である我等が聖域に、侵略者達に一歩足りとも足を踏み入れ
させることなど、断じて許してはなりません。一刻も早く対処せねばなりません。ここに
至っては摂政の権限として、このアレクサンダー皇子を宇宙艦隊司令長官に任じ、銀河帝
国宇宙艦隊全軍の指揮を任せます」
 謁見室にいる全員が感嘆の声をあげた。
 宇宙艦隊司令長官に任じたことは、アレックスを皇太子として公式的に認めることを意
味するからである。
 不可侵にして絶対的なる聖域である帝国領土を、敵の侵略から守るために、共和国同盟
軍の英雄として采配を奮った常勝の将軍を、宇宙艦隊司令長官に任ずるという決定は即座
に全艦隊に伝えられた。
 もちろん皇太子であることには一切触れられてはいなかったのであるが、皇太子殿下ご
帰還の報はすでに非公式ながら全国に流されていたので、皇室が皇太子殿下を正式に認知
したものとして、民衆はアレックスの宇宙艦隊司令長官就任の報に大いに歓喜したのであ
る。
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2020年1月10日 (金)

冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・5

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・5

ナレ「北西の湖の洞窟に入るには、王子のレベルが5以上となって、キアリーを覚えるま
では、とレベルアップに励む二人だった」
勇者「これでどうだ!」
ナレ「モンスターを倒した。チャリラリラン♪王子はレベルアップした、キアリーを覚え
た」
勇者「よっしゃあ!これで毒攻撃にも安心だな」
王子「恐縮です」
勇者「洞窟に再チャレンジするぞ」
ナレ「北西の湖の洞窟に再び挑戦し、ついに『ぎんのカギ』を手に入れたのだった」
勇者「よおし、銀の扉を片っ端から開けるぞ」
王子「ルリザに一つありましたね」
勇者「ルーラシアにもあったな」
ナレ「ルリザの武具屋の横の銀の扉を開けると、福引所だった……あ、ちなみにこの辺か
らFC版ドラクエじゃなくて、スマホやWii版のドラクエに変わっています」
勇者「そうだよな。FC版は復活の呪文が面倒だからな。画面の文字の読み間違いすると、
復活できない」
王子「それに、イベントも増えていますし」
ナレ「というわけで続きます」
福引「ここは福引き所です。福引きをいたしますか?」
勇者「ふくびきけんが三枚あるな。三回引くぞ」
王子「結局三回とも外れでしたしたね」
勇者「次の扉に行くぞ」
ナレ「ルーラシア城の銀扉は、サンペタとまもりのすずの情報と、地下牢はろうやのカギ
が必要か……ちなみにルーラシア城南の祠を尋ねてみると」
祠主「……へ?もう、ぎんのカギは手に入れたですと?いや、さすが勇者さま。おそれい
ったわい」
勇者「ふむ、この地方では銀の扉は、情報しか手に入らないのか」
王子「次の地方というと、サンペタですね」
勇者「おうともよ。姫のいる地方だ」
王子「自分、心もとないので、もう少しレベルアップさせてくれませんか?」
勇者「しようがないな」
ナレ「レベルアップを兼ねて、各洞窟内の取りこぼした宝箱探しに出かけることにしたの
だった」
勇者「そろそろ、行くか?」
王子「行きましょう」
ナレ「ルリザ西方の海岸沿いにある祠に入り、衛兵が守るローラの門を開けてもらって対
岸の祠に渡る。そこから出たところが、サンブルグ地方である」
勇者「まずはサンペタの町で情報収集だな」
王子「気をつけてください。この辺には、ギラという全体呪文唱える奴が現れますから」
勇者「よく知ってるな」
王子「子供の頃、父王に連れられてサンブルグに行く途中で見かけたんです」
勇者「そうか。気をつけよう」
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2020年1月 9日 (木)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-6

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-6

 愛が連れ去られた!
 しかも羽根が生えた黒服の天使?によって空の彼方へと。
 天使、天使、天使……。
 天使といえば天上界。
 天上界といえば、ヴィーナス!?
「まさか、ヴィーナスの差し金か?」
 大急ぎで、自宅へと駆け出す弘美。
 息咳切りながらたどり着いた自宅に駆け上がり、台所に飛び込む。
 そこには、相も変わらず酒びたりのヴィーナスがいた。
「ヴィーナス!愛ちゃんをどこへ連れて行った!!」
「なんのことらろ?」
 呂律の回らない口調で問い返すヴィーナス。
「愛ちゃんが連れ去られたんだよ!」
「つれはられた?」
「羽根の生えた天使のような黒服に空の上に連れ去られたんだよ!」
「なんらろ?」
「天使は、おまえの仲間だろうが。おまえが指示したんだろ?」
「なんのことらあ?」
 へべれけに酔っていて、意思の疎通ができない。
「まったく肝心な時に役に立たない奴だなあ」
 どうするべきかと悩む弘美。
 こうしている間にも、愛が何をされているか……。
「なんで、愛ちゃんがさらわれなきゃならないんだよ」
 憤りいきどおりを収めきれない。

 その時だった。
「お困りのようだな」
 どこからともなく声がした。

 その声は母ではなく、もちろんヴィーナスでもなかった。
 ヴィーナスの方を見ると、すでに昏睡状態のようで話しかけることはできないだろう。
 あたりを見回したが、自分とヴィーナス以外は、ここにはいなかった。
 では、誰の声だ?
「うふふふ……」
 まただ。
 姿は見えないが、確かに誰かがいて話しかけている。
「もしかして、ディアナですか?」
 姿が消せるということは、神の部類以外に無い。
 ヴィーナスに初めて会った時に、天空の女神ディアナのことを、口を滑らしていた。
「ほほう……。記憶力は良い方だな」
 と言いながら、スーーと姿を現した。
「ヴィーナスが話していましたからね。女神は他にはいない」
「なるほど。改めて、天空の女神ディアナだ」
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2020年1月 8日 (水)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-5

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-5

 数日後。
 ファミレスのバイトを始めた二人。
「ありがとうございました」
 バイトの仕事にも慣れて、そつなくこなしている。

「いらっしゃいませ!」
 客が入店してくる。
 その客の姿を見て、ヒソヒソと店員たちが耳打ちしている。
 それもそのはずで、来店客は黒眼鏡に頭から足まで黒ずくめの衣服を着ていたからだ。
「なにあれ。少年探偵コナンのコスプレ?」
 客が席に着いて、テーブル担当の店員が注文を取りにいく。
「これとこれと、それからこれ」
 と注文した品は、調理に時間のかかるものばかりだった。
「これとこれと、それからこれ、でよろしいですね」
「ああ、たのむ」
「かしこまりました」
 一礼して、オーダーを出しに厨房へ伝えに行く店員。
「オーダー入りました!これとこれと、それからこれ、です!」
 客は、お冷を一口飲むと、ポケットから何かを取り出した。
 写真のようだった。
 それをジッと見つめたかと思うと、店員と見比べている。
「何、あの客。うちらのこと見つめたりして、気色悪いわあ」
「もしかしたら、興信所の人?」
「ええ?じゃあ、誰かを調べているの?」
「よく観ると、新人の方を見ているみたいよ」
 確かに客は、新人である弘美と愛の動きを追っていた。
 やがて注文した料理が届くと、一口入れては観察、一口入れては観察。
 咀嚼の間中は二人を交互に観察していた。

 そうこうする内に、二人の勤務時間の終了となる。
「お疲れ様でした!」
 更衣室で制服から、自分の服に着替えて、店を出る二人。
「ふうっ!疲れたあ」
 大きく伸びをする愛。
「それにしても……あの人、なんだろうね」
「例の客?まだ食べているのかな」
「ううん……どうかな。もう食べ終わってるんじゃない?」
 談笑しながら帰り道を歩く二人。

 その時、一陣の風が吹いた。
 スカートの裾が舞い上がり、慌てて両手で抑える。
「酷い風ねえ」
 砂が目に入ったのか、目を擦っている弘美。
「きゃあ!」
 悲鳴を上げる愛。
 目を開けると、愛を抱えて走り去る黒尽くめの男。
「ああ、あの変な客だ!」
 なんて言ってる暇は無い。
 黒尽くめを追いかける弘美。
「待ちなさい!愛をどこへ連れていくの!!」
 人一人抱えて走りづらいはずなのに、黒服は軽々と走り続ける。
 じりじりと差を詰めていく弘美。
 あと一歩!
 手を伸ばした瞬間だった。
 ふわりと黒服が宙に浮かんだのだった。
 見ると黒服の背中から真っ白な羽根が生えている。
 その羽根をバサバサと羽ばたかせて、空高く舞い上がってゆく。
「天使!?」
 羽根の生えた黒服は、すでに空の彼方に消え去っていた。
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2020年1月 7日 (火)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-4

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-4

 それから数日後。
 愛と一緒にファミレスの面接を受けている。
 勤務希望日時とか尋ねられて、
「やっぱり土日の午前中かな……」
「あのねえ、夏休みなのよ。もう少し働かないと雇ってもらえないでしょ。ねえマネージ
ャー」
「そうですね。最低でも三日間のフルタイムか、五日以上のハーフタイムは働いて頂かな
いとね。シフトが組めませんから」
「ほらね」

「うーん……。どうしようかな」
 頭を抱えている弘美。
「取りあえず四日以上のフルタイムを働いて頂けるなら、採用決定なんですけどね」
「へ? 採用決定?」
「新店舗が出来たせいでかなりの従業員がそちらに振り分けられて、こちらの人員が足り
なくて、急ぎ募集する必要があるんですよ。今なら無条件採用です。いかがですか?」
「念のためにお聞きしますけど、時給はいくらくらいですか?」
「採用条件に合えば、時間七百五十円をお支払い致します」
「七百五十円? それって平均的?」
「そうですね。高校生の時給としては妥当なはずですが」
「フルタイムって何時から何時ですか?」
「あなた達は、女子高校生ということで、就業規則により午前十時から午後六時までとな
っております。それ以降の勤務時間は、学校側や父兄から帰宅に問題が生ずるとクレーム
がくるからです。大切なお嬢様をお預かりするわけですから当然の配慮です」
「ふうん……お嬢様ねえ」
 そっかあ……。
 一応あたしはお嬢様なんだ。
 そう言われると悪い気はしなかった。
 あれ?
 女の子として扱われることに抵抗してたんじゃなかったっけ?
 うーん……いつの間にか、女の子としての生活に慣れ親しんでいるってことか。
 そりゃそうだ。
 実際にしても、誰が見ても正真正銘の女の子だものな。
「ねえ。どうするの? 早いところ決めておかないと他の子に仕事取られちゃうよ。ここ
のアルバイト、結構人気があるんだから」
「そうなんだ」
「どうしますか?」
「決めちゃいなよ」
「マネージャーさんも忙しい中を時間を作って、相手してくださっているんだから。今更
断りきれないわよ」
「あ、あのねえ……」
 それじゃあ、脅迫みたいじゃない。
「わかったわ。取り合えず、四日のフルタイムということでお願いします。ただ曜日はも
う少し考えさせていただけませんか?」
「結構ですよ。四日のフルタイムですね。曜日に関してはある程度融通が利きますから大
丈夫です」
「それじゃあ、そういうことでお願いします」
「判りました。一応採用ということで、こちらこそ今後ともよろしくお願いします」
「やったね」
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2020年1月 6日 (月)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-3

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-3

 そうこうするうちに弘美の家が見えてきた。
 そういえば、愛ちゃんを家に上げるのは幼稚園の時以来かな……。
 男の子と女の子、異性を感じるようになった頃から、互いに遠慮するようになっていた。
 しかし今は女の子同士、愛も何のためらいもなく家を訪問することができるというわけ
である。
「ただいま!」
「お帰り」
 母が出迎える。そして……、
「あら、愛ちゃんじゃない。久しぶりね」
「おばさま、お邪魔します」
 幼馴染みの母親という記憶は、どうやら残っているようだった。
 都合の悪いことは消したりすり替えたりしているが、影響のないことはそのまま記憶を
残しているようだった。まったく見ず知らずの他人というわけにはいかないらしい。
「遠慮しないで、ゆっくりしていってね」
「はい」
 というわけで、自分の部屋に案内する。
「へえ……、久しぶりだけど。弘美の部屋ってこんなだったんだ」
 そりゃそうだろな。
 愛がちょくちょく遊びに来たのは幼稚園の頃だ。
 月日も経っているし、女の子的な雰囲気にすっかり模様替えしてしまったから。
 あの頃はまだ異性ということを意識していなかったからな。
 
「悪いけど、着替えるね」
「うん……」
 帰ったらすぐに着替えるように母に言われていたからだが、他人がいるとやはり恥ずか
しいものだ。とはいえ、学校の体育の授業前に、何度もクラスメート達と一緒に着替えを
する機会があったので、少しは慣れっこにはなっている。
 授業前にはじめて着替えするときは、心臓どきどきものだったけどね……。
「それでさあ、朝のことだけど……何が言いたかったわけ? そろそろ話してくれてもい
いよね。夏休みの予定がどうのとか……」
「それなんだけどさあ……」
「なに?」

「あのね……。一緒にアルバイトしないかな? と思ってさ……」
「バイト?」
「ファミリーレストラン」
「ファミレス?」
「うん……一緒にアルバイトしない?」
「なんでそうなるわけ?」
「一人じゃ行きづらくて……」
「だったらやめとけば?」
「そうもいかないのよ」
「どうして?」
「実はね……。バイト料でお父さんの誕生日プレゼント送ろうと思っているの。冬なら手
編みのセーターとかでいいんだろうけど。夏にセーターはねえ……」
「そっかあ……、誕生日プレゼント送るんだ」
「そうなの」
 といいながら、じっと弘美を見つめる愛。
「わかったわよ。一緒にバイトしてあげる」
「やった!」
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2020年1月 5日 (日)

銀河戦記/機動戦艦ミネルバ 第五章 ターラント基地攻略戦 IX

 機動戦艦ミネルバ/第五章 ターラント基地攻略戦
IX

 ミネルバ艦橋。
「敵機来襲!」
「後方に揚陸母艦が見えます」
「何隻いるか?」
「三隻です」
「ヘリウム残量は?」
「残り12%です」
「超伝導磁気浮上システム維持できる時間は?」
「およそ56時間です」
「そうか……」
「やはり、ここへ来るときに、敵艦隊の足止めに放出したのが痛いですね」
「仕方がなかった。そうしなければ、ミネルバの運命もどうなっていたか」

「訓練部隊総員帰還しました」
「よし、ミネルバ浮上!」
 砂塵を巻き上げて浮上するミネルバ。
「戦闘配備!」
 艦内を駆け回って、それぞれの持ち場に急ぐ隊員達。
 モビルスーツの格納庫では、出撃の準備が始まっている。
 旧式機から昇降機を使って降りながら、整備員に大声で尋ねるサブリナ中尉。
「新型の整備状況はどうか?」
「液体ヘリウムの注入がまだ完了してません」
「何割注入した?」
「六割です」
「なら、二十分は飛べるな?」
「ええ、たぶん」
 新型の諸元表によると、液体ヘリウム満タンで大気中を三十分飛べることになっている。
もちろん気温や気圧といった環境でも違ってくるが。
「ハイネはまだか?」
 と叫ぶと、
「今行きます!」
 待機所から、携帯食料のチューブを咥えながら出てきた。
「ちょっと小腹が空いたもんで」
 言い訳していた。
「早く乗れ!」
「了解」
 新型は複座式である。
 パイロットの他、超伝導磁気浮上式システムを操作する機関士が必要なのだ。
「システム起動!」
「よし、出発する」
 ノシノシと歩いて射出機に両足を乗せる。
 前方の信号機が青になると同時に、
「サブリナ機、行きまーす!」
 カタパルトによって前方空域へと飛び出した。
 浮上システムによって、ふわりと空中に浮かぶサブリナ機。
「三時の方向に編隊多数!」
 レーダー手でもあるハイネが報告する。
 が早いか、戦闘機から発射されたミサイルが飛んでくる。
 防御用の盾を前にかざして、それを防ぐと同時に、身近を通った戦闘機をバルカン砲で
なぎ倒す。
 戦闘機の方も、素通りしてミネルバを急襲する。
「ミネルバなら大丈夫だ。こっちは敵母艦を叩く」
 戦闘機には目もくれずに、敵母艦へ向かってゆく。
 当然として、激しい弾幕攻撃を受ける。
 しかし、それも難なくかわして、母艦に取り付くのに成功する。
 背負っていたビームサーベルを手に取って、
「くらえっ!」
 とばかりに、ビームサーベルを艦体に突き刺す。
 ビームエネルギーが流れ込み、艦内のあちこちで爆発が起こり始める。
 サブリナが離艦すると同時に、轟音と共に大爆発した。
「役目は終わった、帰還するぞ」
 母艦が轟沈するのを見て、散り散りに逃げ去ってゆく戦闘機を見送りながら帰還するサ
ブリナだった。
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2020年1月 4日 (土)

銀河戦記/機動戦艦 第二部 第四章 皇位継承の証 XⅢ

第四章 皇位継承の証
                 XⅢ

 ただちに御前会議が招集された。
 その席には、パトリシアもアレックスの参謀として参列していた。
 トランターを発して進軍する二百五十万隻の艦艇の模様が放映されている。
 その映像に説明を加えるパトリシア。
「この映像は、皇子すなわちランドール提督配下の特務哨戒艇が撮影した、今まさに進軍
中の総督軍の様子です。十日もしないうちに中立地帯を越え、銀河帝国への侵略を開始す
るでしょう。一刻も早く迎撃体勢を整えるべきです」
「しかし、友好通商条約はどうなるのだ」
「それは前にも申しましたように、条約は破られるものです」
「まさか、神聖不可侵のこの帝国が……」
 うろたえる大臣達。
「しかし、我々の情報部には何も」
「それはそうでしょう。帝国内にいる我々と違って、ランドール提督の元には同盟内にあ
って活発な活動をしている解放軍情報部を持っているのですから」
 パトリシアが説明する。
「そうはいっても現実に侵略を受けていない以上、帝国艦隊を動かすことはできない。宇
宙艦隊司令長官がいない現状では」
「しかし国境を越えられてから行動開始しては遅すぎます。総督軍が進軍を開始したのは
明白な事実なのです」
「戦略上重要なことは、情報戦において敵の動静を素早くキャッチして行動に移せるかに
かかっているのです」
「二個艦隊以上を同時に動かし、国境を越えるかもしれない作戦を発動できるのは、宇宙
艦隊司令長官だけなのです」
「宇宙艦隊司令長官ですか」
「銀河帝国皇太子殿下の要職で、他の者が就くことはできません」
「つまりは皇太子殿下がいなければ、どうしようもないということですか」
「帝国建設以来、一度も侵略の危機を経験することのなかった治世下にできた法ですから、
矛盾が多いとはいえ法は順守されねばなりません」
 数時間が浪費され、その日の御前会議はもの別れという結果で終わった。

 それから幾度となく御前会議が行われたが、議論を重ねるだけで何の進展もない日々が
続いた。
 二百五十万隻の艦隊が押し寄せてきているというのに、一向にその対策を見い出せず狼
狽するばかりである。
 一方の将軍達は、日頃からアレックスに尻を叩かれながらも大演習に参加したり、新造
戦艦の造船の様子を見るにつけ、戦争が間近に迫っていることを、身に沁みて感じ取って
いた。
 アレックスの先見性の妙、共和国同盟の英雄たる卓越した指導能力には絶大なる信頼と
なっていたのである。
「それでは、この災厄ともいうべき事態。皇子はどのように対処なさるおつもりですか」
 エリザベスが改めて質問した。
「もちろん迎撃に打って出ます。第二と第三艦隊に出動を要請し、私の配下の艦隊と合わ
せて連合軍を組織して、この私が指揮を執らせて頂きます」
「しかし、中立地帯を越えての出撃は問題ですぞ。たとえ第一皇子とてその権限はありま
せぬぞ」
 アレックスは呆れかえった。
 侵略の危機にあるというのに、相も変わらず法令を持ち出す大臣達の保守的な態度は救
いようがない。
 どうにかしてくれという表情で、エリザベスを見つめるアレックス。
 もはや最期の手段を決断する時がやってきているのである。
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2020年1月 3日 (金)

冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・4

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・4

ナレ「徘徊するモンスターを倒して王子のレベルアップさせながら、ルリザ北西の湖の洞
窟にたどり着いたのであった」
勇者「そいじゃ行くぞ」
王子「は、はい」
勇者「震えているのか?」
王子「実は、閉所恐怖症でして」
勇者「冗談だろ?」
王子「本当です」
勇者「しようがねえなあ。後ろに隠れてろ。ホイミの呪文使えたよな?」
王子「はい。生まれつきのものですが」
勇者「羨ましいぜ。俺は呪文はからっきしだからな。ピンチになったらよろしくな」
王子「はい」
ナレ「こうして【ぎんのかぎ】を求めて、洞窟内へと突入したのであった」
勇者「足元に注意してろよ。鍵が落ちてるからな」
王子「目を見開いてます」
勇者「しかし、いい時代になったもんだ」
王子「何がですか?」
勇者「ドラクエIの時は、洞窟に入るたびに『たいまつ』が必要だったからな。持ち物数
制限で苦労したわ」
王子「何の話しているのですか?」
勇者「いや、こっちの話さ」
ナレ「キングコブラ3匹が現れた!」
勇者「おいでなすったぞ!!」
王子「頑張ります!」
勇者「それ!」
ナレ「勇者、キングコブラに22のダメージ、キングコブラを倒した。王子、キングコブ
ラに17のダメージ、キングコブラを倒した」
勇者「反撃がくるぞ」
ナレ「キングコブラ、王子に5Pのダメージ。毒を受けた」
勇者「こなくそ!」
ナレ「キングコブラに20Pのダメージ、キングコブラを倒した」
王子「毒を受けちゃいました」
勇者「なに!?毒消しは持ってるか?」
王子「持ってません」
勇者「なら、キアリーの呪文をかけろ」
王子「まだ覚えてませんよ。レベル5にならないと」
勇者「しょうがねえ。引き返すぞ。洞窟から一番近いのはサマートリア城だな」
王子「は、はい」
ナレ「毒を受けた王子は、一歩ごとにHPが減ってゆく。やくそうとホイミの呪文でHP
を回復させながら、近くのサマートリア城へと急ぐ」
王子「すみません……。やくそうがなくなりました。MPも0です」
勇者「モンスターに出会わないように祈るしかないな」
ナレ「言ってるそばから、バブルスライムが現れた」
勇者「ちっ、三匹もかよ。1匹2匹なら先着して無傷で倒せるのに」
ナレ「そうこうするうちに、サマートリア城が目の前に」
勇者「あと少しだ」
ナレ「ドラキーが三匹現れた。モンスターの先制攻撃!」
勇者「なに!」
ナレ「ドラキーの攻撃、王子に集中攻撃!合計18Pのダメージ。王子は死んだ!」
勇者「なんてこった……」
ナレ「勇者、王子の棺を引きずりながら、サマートリア城に何とかたどり着いた」
勇者「ところでナレよ」
ナレ「……」
勇者「ああ、そうか。喋っていいぞ、許す」
ナレ「……なんでしょうか」
勇者「王子の棺って、どっから持ってきたんだ?俺は持ってなかったぞ。遺体を肩に担ぐ
とか、引きずるというのが本筋だろう」
ナレ「そういう設定になってますもので。遺体を担ぐのは嫌でしょうし、遺体そのものを
引きずるのも酷ですからね」
勇者「設定ねえ……」
ナレ「はい。教会で復活させて貰って下さい」
勇者「しようがねえなあ」
ナレ「というわけで、城内にある教会へ」
神父「ただしき神は、ただしき者の味方なり。わが教会にどんなご用でしょう?」
勇者「王子を【いきかえらせて】くれ」
神父「ではわが教会に40ゴールドのご寄付を。よろしいですかな?」
勇者「ちょっとまて金を取るのかよ。こいつは、サマートリア城の王子だぞ」
神父「寄付は神への感謝の気持ち。しかし無理にとはいいません……ほかにご用はおあり
ですか?」
勇者「聞く耳、持ってねえな。しようがない、ほれ40ゴールドだ。受け取れ」
神父「おお神よ!わが主よ!大地の精霊たちよ!さまよえる王子のみたまをここへよびも
どしたまえっ!王子はよみがえった!ほかにご用はおありですか?」
勇者「あるかよ!!」
神父「おお神よ!この者たちにあなたのかごがあらんことを!」
勇者「勝手に抜かしてろ」
ナレ「生き返った王子と共に、教会を後にする勇者だった」
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2020年1月 2日 (木)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-2

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-2

 で、なんでかんでと放課後となる。
 放課後というと学級掃除である。
 学校によっては業者が掃除をやってくれるところもあるそうだが、この学校では生徒が
やることになっている。
 不公平だとは思わないか?
 でもってお決まりの、男子逃走である。
 いつも女子だけが居残って掃除にいそしむことになる。
「あーあ。いやんなっちゃうなあ、なんで男の子は逃げちゃうの?」
「あんたも逃げちゃえば」
「いいの?」
「だめ!」
「でしょ?」
「結局、誰かがやらなきゃならないんだし、埃まみれの教室で勉強するのはいやだもん
ね」
「そうそう。純徳な乙女を演出するのも楽じゃない」
「なにそれ?」
「どこでだれが見てるか判らないし、まじめにやってるところを先生に認められれば、内
申書の評価を落とすこともないしね」
「結局そこに行き着くわけね」
「そ、だだでは起きない。やったからと言って、評価が上がるものじゃないけど、下がる
こともないから」
「こんな時は女の子ってのは損な役回りだわ」
「掃除洗濯ご飯炊きは女の仕事。まだまだ男尊女卑的な因習がまかり通ってるもんね」
「言えてる。何かっていうと、女の子でしょ」
「そうそう」
 そんな会話を片耳に箒がけをしている弘美。
 ほんとは弘美も逃げ出そうかと思ったのであるが、ヴィーナス選出の仲良しのクラス
メートが居残っているので、逃げるに逃げられない。それに愛と一緒に帰る約束もしてし
まっていた。

「それじゃあ、また明日ね」
 掃除を終えて帰り支度である。
 三々五々解散となる。クラブ活動にいそしむ者がいれば、帰宅部もいる。
 弘美は帰宅部だった。クラブには属していない。
 愛はテニス部だが、今日は休養日だ。
「それで、今朝の話だけどさあ。何なの?」
 弘美と愛。仲良く並んで帰宅の途についていた。
 帰る方向が途中まで同じなのである。
「ねえ、弘美のうちに寄ってもいい?」
「あたしのうち?」
 帰りは弘美の家のほうが近い。それでそういう話を切り出したのだろうが……。
「だめ?」
「べつにいいけど……」
「ありがとう。弘美のとこでお話しするわね」
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2020年1月 1日 (水)

あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-1

あっと! ヴィーナス!!第二部
第一章 part-1

 朝食を終えて学校へ行く。
「弘美! おはよう!」
 いつも聞きなれた声が背後から近づいてくる。
「愛ちゃん。おはよう」
「今日は、お兄さんと一緒じゃないのね」
「クラブで今日は早出」
「そっか、野球部だもんね。地区予選もはじまるし」
「一年だから、当分球拾いと用具片付けとかばかりだよ。後はランニングばかりらしい
よ」
「でもすぐにレギュラーになれるよ。中学ではキャプテンだったし」
「そうかな」
「それに女子の間では結構人気があるのよ。妹として鼻が高いでしょ」
「なにそれ?」
「知らないの?」
「知らない」
「呆れた、灯台下暗しね」
 知るわけないだろ。
 そういうこと、妹(弟)に自慢するもんじゃないし。
 それにしても、愛ちゃんとはすっかり仲良しになってしまった。
 もちろん女の子同士としてである。
 幼馴染として、これまでにも多少の付き合いがあったが、やはり異性ということで垣根
が存在して、これほどまでに親密にはなれなかった。男女が一緒に歩いていれば、噂の種
にもなるし……。
「ところでさあ……」
「なに?」
「もうじき夏休みだよね」
 とさも意味ありげに尋ねる。
「そうだね」
「予定あるの?」
「予定?」
「旅行とか、アルバイトとかさあ……」
「別に……ないけどさ」
「そう……」
 とぽつりとつぶやいて考え込むように黙った。
「なによ?」
「うん……ちょっとね」
「だから、なによ?」
「あのね……」
 どうやら切り出しにくい話のようだ。
「うん」
「やっぱり、後で話すわ」
「何よお、気になるなあ」
「とにかく、後で」
 結局口に出しただけで、内容を話さない。
 気になるなあ……。
ポチッとよろしく!

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