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2020年6月20日 (土)

銀河戦記/鳴動編 第二部 第七章 反抗作戦始動 X

第七章 反抗作戦始動

 一時間後。
 中央に切り込んだ帝国軍艦隊は優勢に戦いを進めていたが、すでにすれ違いを終えて相
対位置は離脱の方向に向かっていた。
 さらに戦いを続けるには反転しなければならないが危険を伴う。
 サラマンダー艦橋。
「総督軍は正面突破を図って、中立地帯へ逃げ込もうとしているようです」
「反転攻撃しますか?」
「いや、半時計回りに全速迂回して総督軍の側面を突く」
「側面を突くと申しましても、そのためには総督軍の頭を抑えて前進を阻む必要がありま
すが?」
「その通りだよ」
「しかし応対できる艦隊がおりません」
「いるじゃないか」
「え?」
「まあ、見ていたまえ」
 含みを持たせた笑みを浮かべて答えないアレックスだった。


 ザンジバル艦橋。
「何とか正面突破に成功しました」
「よし、このまま全速前進して中立地帯へ逃げ込め」
「了解」
 ふうっ、と大きなため息をついて肩を落とすマック・カーサー提督。
「このまま行けば何とか逃げられそうです」
 とその時、警報が鳴り響いた。
「どうした?」
「前方に艦影を確認」
「なんだと?」
「帝国艦隊です。その数、六十万隻!」
「馬鹿な! そんなものがどこから……」


 サラマンダー艦橋。
「銀河帝国軍、第四艦隊と第五艦隊です」
「ほら見ろ。援軍が来てくれたではないか」
 と楽しそうに言うアレックス。
 万事予定通りという表情である。
「第四艦隊と第五艦隊に連絡を取ってくれ」
 ほどなく正面スクリーンに両艦隊の司令官の姿が投影された。
『第四艦隊、フランツ・ヘーゲル准将です』
『第五艦隊、ベルナルト・メンデル准将です』
「諸君らはすでに戦場に足を踏み入れてしまった。よって銀河帝国軍規によって、両艦隊
を私の指揮下に組み入れる」
 帝国軍規には戦場にある艦隊は、戦場を指揮する司令官の采配に従うように定められて
いる。
 本国から後方支援部隊として戦闘には参加しないことを前提に進軍してきた第四艦隊と
第五艦隊ではあったが、戦闘が長引き戦場が後方に移動したことによって、予定外として
戦場に踏み込んでしまったのである。
 戦場においては、本国からの直接命令は破棄されて、戦場の指揮官の命令に従うという
わけである。
『御意!』
 と両准将は力強く応えた。
 帝国軍規には精通している将軍であるから、アレックスの命令を受け入れることには躊
躇しなかった。
「第四艦隊、及び第五艦隊に対し、宇宙艦隊司令長官として命令する。接近する総督軍に
対し攻撃を敢行せよ」
『御意!』
 再び応える両将軍。
『おまかせください』
『殿下のご期待にお応えしましょう』
 これまでのアレックスの戦いぶりを、後方からずっと見ていたはずである。
 寸部の隙を見せず、負け戦を勝勢へと導いてしまった、作戦巧者の我らが宇宙艦隊司令
長官にして皇太子殿下。
 銀河帝国の存亡を掛ける作戦に参加できることは武人の誉れとなる。
 両将軍がはりきるのは当然のことである。
 後方支援で出撃が下された時のことである。
「皇女様に対し敵艦隊との矢面に立たせて、第四・第五艦隊は安全な後方支援とはいかな
る所存か?」
 第四艦隊・第五艦隊司令官からも、なぜ自分達は後方支援なのだという意見具申が出さ
れていた。
 しかし大臣達は、戦闘経験のない艦隊を最前線に出すわけにはいかないという一点張り
で対抗した。
 両将軍は不満だったのである。
 しかしその鬱憤はここへきて晴らされることとなる。
 皇太子殿下に従い、銀河帝国を勝利に導く。
 もはや迷いはなかった。
 両将軍率いる艦隊は、接近する総督軍に対して猛攻撃を開始した。
 頭を塞いで進行を遅らせ、本隊が追いつくのを手助けする。
 そうこうするうちに、援軍が後方から追いつき、さらに全速迂回してきたアレックス率
いる本隊が側面から攻撃を開始した。
 総督軍包囲網が完成した。
 敗勢から勝勢へ、アレックスの采配を疑うものはもはや一人もいなかった。


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