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2023年10月22日 (日)

銀河戦記/鳴動編 第十一章 帝国反乱 Ⅲ

第十一章 帝国反乱

 正面パネルスクリーンには、アレックス・ランドールが出ていた。
「やあ、驚いたかね?」
 スクリーン上のアレックスが語り掛ける。
「これは、どういうことですか?」
「簡単なことだよ。ウィンディーネ艦隊を指揮できるのは君しかいないからだよ」
「しかし、自分は……」
「いろいろと誤解はあったが、水に流そうじゃないか」
「誤解……で済まされるのですか?」
 反乱という言葉を使わないアレックス。
「そう、誤解だよ。それ以上でも以下でもない」
 それでも納得できないゴードンだった。
 本来なら免職の上、禁固刑が言い渡されてもいいくらいであるのだから。
「君に任務を与える」
 アレックスが姿勢を正して命令を下す。
「はっ!」
 直立不動になって命令を受ける体制を取るゴードン。
 両拳を握りしめて微かに震えている。
「ウィンディーネ艦隊を率いて、銀河帝国アルビエール侯国に来たまえ」
「了解しました!」
「事の詳細は、シェリーに聞いてくれ」
 通信が途絶えた。
「さあ、一刻も早く馳せ参じましょう。詳細は道々お話しします」
「ガードナー少将が出ておられます」
「繋いでくれ」
 映像がガードナーに変わった。
「アレックスは、君に捲土重来(けんどちょうらい)の機会を与えるつもりのよう
だな」
「ありがとうございます」
「まあ、頑張りたまえ」
 ガードナーは軽く微笑むと通信を切った。

「ちょっと考え事がある」
 といって、一時司令官室へと籠った。
 心配になって付いてくるシェリー。
「ちきしょう!」
 突然、扉を通して中から叫び声が聞こえた。
 そして何かを打ち付ける鈍い連続音。
 シェリーは感じていた。
 自虐行為で頭を壁にぶつけているのだと。
「閣下……」
 やがて音はしなくなり静かになった。

 しばらくして、ゴードンが額から血を流しながら出てくる。
「閣下!お手当を」
「構わん。私の判断で血を流した部下の傷を考えれば大したことじゃない」

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